Search

「高速道路の深夜割引の見直し」進捗状況は|物流ニュース|物流ウィークリー - 物流ウィークリー

国交省とネクスコ3社が「高速道路の深夜割引の見直し」を発表してから9か月。2024年度中とする“Xデー”が近づくが、働き方改革と向き合うトラック事業者にとって、高速利用はドライバーの労働時間を短縮するうえの数少ない選択肢。ただ、コスト増をともなうことからトラック業界は「深夜割引の拡充」を求めてきたが、先の発表は期待と違った方向を示す。一方、その後に浮上した大型トラックなどの高速道路での最高速度を引き上げる話。この9か月間で、新しい深夜割引に向けた作業はどこまで進んだのだろうか。

●SA待機ダメ

いまは午前零時~同4時の間に一瞬でも高速道路上にいれば、走行した全区間が深夜割引の対象となるため、とりあえず対象時間内に高速に入ってSAなどで仮眠を取るドライバーは多い。そうした日常の風景が、結果としてSAを満杯にする一因ともなってきたのは確かだ。

そうした行為を許さなくするのが新しい深夜割引の考え方。しかし、「だれが考えても割引が利く時間に目いっぱい走る。それが時速100キロを出せるようになった大型トラックだとすれば、深夜の高速は恐ろしい」と、物流の最前線を熟知するトラック関係者らは懸念している。

来年度中の実施に向けて作業が進む新しい深夜割引は周知の通り、適用時間を現行より3時間広げる一方、その時間帯(午後10時~翌午前5時)に走行した分だけが3割引になるというもの。「荷物が届かない」ことを危惧するあまり、これまで60年間にわたって安全性の観点で時速80キロに据え置かれてきた大型トラックの速度規制まで変えようとする検討会も立ち上がるなか、それが深夜割引を検討する新たな要素とならなければ不思議だ。

●協組ひと安心

国交省によれば「システムの改修や、途中でETCと通信するアンテナの設置をネクスコでやっているところで、いまは準備状況などを知らせる段階にはない」(道路局高速道路課)と話す。実際にアンテナの設置工事が始まっているのかと重ねて尋ねてみたが、「具体的につかめていないが適宜、会社(ネクスコ)のほうで準備していると認識している」と返ってきた。

また、高速道路の共同利用事業を手掛ける協同組合の関係者らが気にする「現行の平日朝夕割引と同様に後日還元型の割引制度に変更」という表現。平日朝夕については、2つで構成される大口・多頻度割引のうちの車両単位割引はあるものの、協同組合などが受け取る契約単位割引は対象外。「平日割引と同様に…」との部分を、どう理解すればいいのかという混乱を招いた。

これについては「大口・多頻度割引は、どれだけ利用されたかに応じて後日に請求させてもらうことになっており、新しい深夜割引が連動するものではない」(同)と説明。「朝夕と同じ…」という表現が関係者を困惑させる現状を伝えると、「後日還元の部分だけが朝夕割引と同じ意味合い。協組などが受ける契約単位割引は変わらない」との説明だった。

●加わった懸念

一方、深夜割引を見直す発表から半年後に浮上した高速道路での大型トラックの最高速度を見直す問題。安全面から長く時速80キロに据え置かれてきた背景をわきまえるトラック経営者らが指摘するのは「仮に時速100キロが出るようになれば、追い越し車線に大型トラックがあふれることは間違いない」という危険シーンの増加だ。

深夜割引の見直しを発表した際、道路会社も「割引対象距離を増やそうとする速度超過など、無謀運転を未然に抑止するために割引対象距離に上限を設ける」とリスクを理解していた。あらためて同課に聞くと「警察庁が有識者会議を立ち上げており、その議論を踏まえてということになる。速度違反をしてまで走らせるなど無茶な走行を心配する話は国会でも『そういうのがないように考えてほしい』と指摘されており、そうした部分も含めて2024年度中の実施に向けて引き続き検討している」と話す。

Adblock test (Why?)



from "割引" - Google ニュース https://ift.tt/kVW2E7b
via IFTTT

Bagikan Berita Ini

0 Response to "「高速道路の深夜割引の見直し」進捗状況は|物流ニュース|物流ウィークリー - 物流ウィークリー"

Post a Comment

Powered by Blogger.