モスフードサービスが展開するモスバーガーは、50年の歴史で初となる、看板も店内もスタッフの制服も“真っ白”な「白モス 恵比寿東店」を2022年7月12~31日までの期間限定でオープンした。合わせて、7月13日からは「白いモスバーガー」と、モスバーガー史上最高の割引率となる「夏トクセット」を全国で期間限定販売。若い層の新規顧客の獲得につなげたい考えだ。
モス史上最大割引で310万食目標
モスバーガーが2022年7月31日まで約2週間の期間限定でオープンした「白モス 恵比寿東店」は、店舗入り口から真っ白。通常は、緑色の“モスカラー”の看板も白になり、雪を思わせるような白い装飾をあしらった。
店舗の入り口には、CMに起用されたSnow Manのラウールと渡辺翔太のポスターを掲示していたり、フォトスポットがあったりといった白モスならではのディスプレーもあり、早くもTwitterなどSNSで話題になっている。
これと並行して、モスバーガーではまた7月13日から9月中旬まで、全国のモスバーガー店舗(一部店舗を除く)で「白いモスバーガー」と「夏トクセット」を販売する。
「夏トクセット」は、「白いモスバーガー」(470円、店内飲食と持ち帰り価格は税込み同一、以下同)と、同日発売の「枝豆コーンフライ」(270円)、セットドリンクの3点セットで、最大260円の割引となる(セットドリンクで提供可能なアイスコーヒー、アイスティー、100%オレンジジュース〈各Mサイズで310円〉を選択した場合)。これまでのモスバーガーのセット割引は最大で140円引きなので、この「夏トクセット」の最大割引額は実に2倍近くになる。
モスフードサービスの安藤芳徳マーケティング本部長は、「『モスはセットが高い』という声がある。価格でも納得していただきたいと考え、この価格とネーミングにした。通常のキャンペーンでは、200万食が成功ラインだが、今回の夏トクセットは久々の自信作なので、310万食を目標にしている」と意気込みを見せた。
「白モス」バーガーは映え狙いでない
定番の「モスバーガー」といえば、特製ミートソースと輪切りのトマトでおなじみだが、「白いモスバーガー」は、とろりととろける白いソースが大量にかかっているのが最大の特徴。この白いソースには、ミートソースとトマトに合う4種類のチーズ(クリーム、ゴーダ、エメンタール、パルミジャーノ・レッジャーノ)を使用し、隠し味にヨーグルトを加えている。ソースとのバランスで、ミートソースとトマトは少なめにし、マヨネーズは入れていない。あくまでも「チーズソースを感じる設計」を追求したという。
テレビCMではSnow Manのラウールと渡辺翔太が「チーズソースの量がバグってる!」と驚き、インスタ映えを狙ってスマートフォンで撮影するという設定になっている。ということはこの商品もインスタ映えが狙いかと思いきや、そうではないという。
「当社のメニューはすべて、医食同源を基本にしている。白いモスバーガーは夏に(栄養豊富な)チーズで夏バテ防止をしてもらいたいという発想から生まれた。インスタ映えは、完成した商品を見てからの戦略」(安藤氏)
違う飲み物に同じトッピングで味変
同じく期間限定ドリンクとして、「まぜるシェイク 南国パイン」「まるごと!レモンのジンジャーエールwith南国パインソース<タイ産パイン果肉1.0%使用>」「南国パイン ジンジャーエール<タイ産パイン果肉1.0%使用>」を新発売する。
ユニークなのは、ベースとなるドリンクが違っていても、アクセントとして3品とも同じパインソースを使用していること。パインソースはタイ産パインの果肉を2.2%配合し、ベトナム産と宮崎県産のマンゴーをブレンド。同じソースがドリンクによって違う味わいに感じる面白さで、リピートを狙っている。
「枝豆コーンフライ」でポテト代替?
もう一つの注目の新商品は「枝豆コーンフライ」。枝豆とコーンといえば連想するのが、21年1月8日からマクドナルドで販売されているサイドメニュー「えだまめコーン」だ。
マクドナルドの「えだまめコーン」が粒のままのサラダタイプなのに対し、モスバーガーの「枝豆コーンフライ」は枝豆をマッシュし揚げている、いわばハッシュドポテトタイプ。手間はかかるがあえてマッシュにし、ワンハンドで食べられるように揚げているのだという。
商品開発を担当しているモスフードサービス マーケティング本部の濱崎真一郎商品開発部長は、「フレンチフライに代わる主力となり得るサイドメニューとして、スナック感覚で手軽にお召し上がりいただける商品を開発した。フレンチフライと同じようにシンプルな塩味で仕上げ、上新粉を使ってもっちりした食感に仕上げている。枝豆とコーンなので、ギルトフリー(罪悪感を抱かない)感覚で召し上がっていただけるのでは」と期待を寄せる。
白いモスバーガーよりは長いものの、こちらも11月中旬までの期間限定販売。安藤氏は今後もこのような、フレンチフライに代わり得るサイドメニューを開発し販売していくという。その背景には、最近の物流の乱れなどによるジャガイモ不足がある。
「ジャガイモが野菜の優等生だった時代はもう戻ってこない。フレンチフライに代わるサイドメニューを開発し、次々に打ち出していく」(安藤氏)
定番のモスバーガーを食べない若い層
今回の夏トクセットは価格の安さが売りでもあるが、疑問なのはこの物価高騰の状況で、どうやって値下げを実現できたかだ。安藤氏によると、夏トクセットは自信作なので、「来店される方の2人に1人は、夏トクセットをオーダーするのではと予測している」。単一メニューが多く売れることでフードロスをなくせることや、大量仕入れによるスケールメリット、同じ商品を大量に作ることによるオペレーションメリットなどで可能にしたという。
モスバーガーは2カ月に1度、期間限定商品でキャンペーンを行っているが、これは若い層の新規顧客獲得を狙うものでもある。モスバーガーのユーザー数は約300万人だが、創業から50年たち、長い間通い続ける常連は50代に。次いで多いのが子供のいる30代女性。若い層は定番のモスバーガーを食べたことがないという人も多いという。
それでもキャンペーンが功を奏してか、若年層は約17%と3年前の調査より3%増えており、「他のチェーン店と比べて悪くない数字」(安藤氏)と分析した。若い層のユニークユーザー獲得が生き残りのカギとなることは間違いない。白いモスバーガーにも、期待がかかっている。
(撮影/桑原恵美子)
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