2020年08月19日08時00分
◇逆転と番狂わせの視点
昔も今も「スポーツは筋書きのないドラマ」といわれる。春夏の甲子園でも数多くの名勝負が感動を残してきた。
そのためかスポーツ記事には「大舞台」「立役者」「独壇場」「劇的」といった言葉が頻繁に登場し、「名勝負を演じた」などともいう。
実力伯仲の接戦も見応えがあるが、ドラマチックな展開の双璧は逆転と番狂わせだろう。
記者としてはほろ苦い経験がある。若い頃、バレーボールの試合で日本が第1、第3セットを落としながら大接戦の末に3―2で競り勝った。翌日、コーチに「いい試合でしたね」と言うと苦笑された。
「1セット目を取っていればどうってことなかったよ。初めから逆転勝ちしようと思って試合する監督はいないから」
担当になりたてで力関係も正しく把握していなかったのだが、確かにそうだ。逆転勝ちは地力の証しではあるし、格下の方が強豪相手に策を練ってもつれた展開を狙うことはあっても、真の強者は勝つべくして勝つ。
プロ野球などで連勝が伸び、逆転勝ちが増えてくると「強さ本物」などと書かれるが、連勝が止まる予兆と見た方がいい。
番狂わせも大いに沸く。起こる要因はさまざまだが、あまり頻繁だと疑ってみる必要がある。この競技は実力や努力が公正に反映されにくいのではないか。勝敗の決め方や実力を評価するランキングの仕組みなど、ルールに何か問題はないか。
五輪には、国際オリンピック委員会(IOC)とその意を受けた国際競技団体が浅薄な面白さを追求し、奥深さや本質を脅かすルール改悪をしてきた競技がいくつもある。
ドラマに酔うのはスポーツの大きな楽しみだが、伝え手はどこかに違う視点も持っておきたい。それでファンの人たちが、スポーツと深く長くつき合っていけるなら。(時事通信社・若林哲治)
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August 19, 2020 at 06:00AM
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「筋書きのないドラマ」のただし書き 【スポーツの言葉考】(27) - 時事通信ニュース
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