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5G大手提携 国際競争力向上に期待:北海道新聞 どうしん電子版 - 北海道新聞

 第5世代(5G)移動通信の分野で、国際競争力の向上が期待される。NTTとNECが資本業務提携し、5G基地局機器や技術の共同開発へ動きだした。

 中国の華為技術(ファーウェイ)など海外勢が優勢な世界市場でシェアを高めるとともに、次の6Gも見据え、通信網を国産で整備できるようにする狙いだ。

 米中対立でファーウェイ排除の流れが海外で広がりつつあり、巻き返す好機との見方もある。

 両社は他の国内企業にも連携を呼び掛け、分業でコストを抑えるオープン化を目指す。

 日本の通信業界の将来を占う試金石になろう。世界で戦える態勢づくりに努めてもらいたい。

 NTTがNECに644億円を出資。通信会社とメーカーが開発で手を組むのは異例という。

 世界の基地局の市場シェアは、ファーウェイと欧州勢のエリクソン、ノキアで7割超を占める。NECや富士通などの国内勢は1%に満たない。

 単独での挽回は厳しい情勢で、今回の提携は必然と言えよう。

 携帯電話の基地局はこれまで、機器メーカー1社がアンテナや無線機などを一括して通信会社に納める方式が中心だった。

 提携で目指すオープン化は、複数のメーカーが部品や技術を持ち寄って低価格化を図る。

 通信会社の要求にも柔軟に対応しやすいとされ、欧州大手の製品より2~3割安いファーウェイに対抗する。ファーウェイが強い新興国市場への進出も目指す。

 競争力を高めるには多くの企業の参画が不可欠だ。政府も税制や規制緩和で後押ししてほしい。

 一方、経済産業省は6Gでの国際的な主導権の確保を視野に、国内の電機メーカーや通信会社などに対して、700億円規模の支援を行う方針だ。

 国産通信技術の開発強化は、海外からのサイバー攻撃などへの対策につながる面もある。

 ただ、中国通信大手の技術開発への投資は、1社で年間1兆5千億~2兆円規模とされる。

 5Gで出遅れた日本が6Gで世界をリードするには、国を挙げた支援が欠かせない。

 高速で多数の機器を同時に接続できる5Gや6Gの活用は、自動運転や遠隔医療など、新型コロナ収束後の社会で重要となろう。

 そのためには優れた人材を国内で育てたり、海外から集めたりすることも急務である。政府は環境整備を進めてもらいたい。

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July 27, 2020 at 02:30AM
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