カルパース、8200億円相当のＰＥファンド持ち分売却－割引価格で - ブルームバーグ

米カリフォルニア州公務員退職年金基金（カルパース）は、プライベートエクイティー（ＰＥ、未公開株）ファンドの持ち分約60億ドル（約8200億円）相当を売却した。過去の多数の運用者との関係を絶ち、新規投資に向けて現金化を進めた。

Schwarzenegger Drops Loan Amid Record Budget Impasse — カルパースのオフィス

Photographer: Ken James/Bloomberg

　　4400億ドル規模の米最大の公的年金基金であるカルパースは、2009年以降に最高投資責任者（ＣＩＯ）の交代が続き、500億ドル相当のＰＥファンド持ち分の複雑さに長らく苦慮してきた。ポートフォリオを整理する方法などを模索するためジェフリーズ・ファイナンシャル・グループと契約している。

　　非公開の取引だとして関係者が匿名を条件に話したところでは、過去２週間にまとめられた複数回の持ち分売却で買い手となったのは、フランクリン・リソーシズの投資事業レキシントン・パートナーズと、ＣＶＣキャピタル・パートナーズ傘下のグレンダワー・キャピタル。このディールはカルパースにとってこの種としては最大であるだけでなく、ＰＥファンドの持ち分転売としては過去最大級の公算が大きいとＰＥ業界幹部は話した。

　　こうした規模の取引は代償も伴う。一部関係者によると、カルパースは21年９月時点の価値を約10％下回る価格で持ち分を売却したという。

米カリフォルニア州公務員退職年金基金（カルパース）は、プライベートエクイティー（ＰＥ、未公開株）ファンドの持ち分約60億ドル相当を売却

Markets: The Close.”

　　ただ、大規模売却は今年ＣＩＯに就任したニコール・ミュジコ氏に新たな投資の資金をもたらす。同氏はかねて非公開企業に直接投資するチームを構築したい考えをカルパースの取締役に伝えており、それが実現すればカルパースはブラックストーンやカーライル・グループのようなＰＥ投資会社を迂回（うかい）してコントロールを強めることができる。

　　レキシントンとグレンダワー、ジェフリーズはコメントを控えた。

原題：

Calpers Unloads Record $6 Billion of Private Equity at Discount（抜粋）

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