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米鉄道、増発や割引相次ぐ コロナ禍から回復狙う - 日本経済新聞

【ワシントン=共同】米国の大都市圏の鉄道で、列車を増やしたり、割安な運賃を設けたりする動きが相次いでいる。新型コロナウイルス禍による利用者減少から回復が遅れる中、利便性向上で通勤客らを取り戻すことや原油価格高騰によるマイカーの代替手段としての需要増を狙う。

米公共交通協会(APTA)によると、国内の公共交通機関の2月半ばから4月の利用者数はコロナ流行前の60~65%程度にとどまっている。

ニューヨーク中心部のマンハッタンと、日本人駐在員も多く住む近郊の閑静な住宅街を結ぶメトロノース鉄道は3月下旬、主要3路線の平日の運転本数を計66本増やし、計642本とした。同鉄道は「平日の運行はコロナ流行前の89%の水準になった」と説明する。

中西部シカゴが拠点のメトラは4月下旬、北西部の住宅街とを結ぶ路線の平日運行本数を5割近く増やした。

西部サンフランシスコと近郊を走るカルトレインも4月上旬から、平日のダイヤを原則としてコロナ禍前の水準に戻した。一時は運賃を通常の半額にし、大リーグ球団「サンフランシスコ・ジャイアンツ」の本拠地での試合観戦や買い物、飲食時の利用を呼びかけた。

ワシントン首都圏交通局は昨年9月から、土曜と日曜の地下鉄運賃を割安な片道2ドル(約260円)均一に設定。週末の行楽客らがターゲットで、2021年7月~22年3月の累計利用者は予想を69%上回った。ポール・ウィーデフェルド最高経営責任者(CEO)は地下鉄が「より多くの住民と旅行者の足として選ばれると期待している」とコメントした。

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