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- この記事はビジネスインサイダー・インテリジェンスのプレミアム・リサーチ・レポート「スポーツ配信エコシステム(The Sports Streaming Ecosystem)」のプレビュー版。レポート完全版(有料)はこちらから
テレビが無くてもスポーツ中継は楽しめる
有料放送にとって、スポーツ中継は最も人気の高いコンテンツのひとつであり、視聴者や広告主を惹きつけるための拠り所ともいえる存在だ。しかし近年はそのスポーツ中継でさえ、他のエンターテインメント番組と同様に動画配信サービスへと流れ始めている。
OTT(Over the Top:自前の放送インフラや通信網を持たない事業者によるインターネットを介したコンテンツ提供サービス)の台頭で、スポーツファンは有料放送に加入しなくても、さらに言えばテレビを介しなくても、スポーツ中継を楽しめるようになってきているのだ。
スポーツ番組を日常的に視聴する人は、有料放送の加入率が日常的に視聴しない人と比べて高い。
Business Insider Intelligence
スポーツ中継を視聴できるプラットフォームは以下のように、いくつもの種類がある。
- スキニー・バンドル(skinny bundle:テレビ局の放送が見られる動画配信サービス。CATVよりチャンネル数が少なく料金設定は低め。Sling TV、YouTube TVなど)。
- メディア企業が運営する動画配信サービス(ESPN+、CBS All Access、NBCUniversalによるPeacockなど)。それぞれの局が放映権を持つ試合の中継を配信。
- スポーツリーグが運営するサービス(MLB.TV、NBA League Pass、 NFL Game Pass)。
- DAZNのようにニッチなジャンルを幅広く提供する、デジタル・スタートアップによるサービス。
- IT企業(Amazon、YouTube、Facebook、Twitter、Twitch)が運営するプラットフォーム。近年ライブ配信の権利を獲得。
- ソーシャルメディア・プラットフォーム(Facebook、Twitter、YouTube、Snapchat、TikTok)。スポーツ団体や放送局と提携し、スポーツイベントのハイライトや短縮版を制作・配信している。
今は既存テレビ局が主流。だが潮目は変わりつつある
広告主が出稿を予定していたスポーツイベント
Business Insider Intelligence
スポーツリーグとデジタル・プレイヤーとの連携はまだ限定的で、実験段階の域を出ていない。スポーツリーグにとっては、今のところは既存の放送局と組んだ方が得策で、デジタル企業に独占的な放映権を与えるのは時期尚早だといえる。
だが今後は、スポーツリーグも若年層にリーチするため、IT企業やソーシャルメディア・プラットフォームに目を向けていくことが予想される。若い年代では有料放送に加入したことがない人や、解約する人が多いからだ。
一方、スポーツ番組を提供するOTTプラットフォームは、スポーツファンを惹きつけるために次々と新たな特典を打ち出し、ターゲティング精度、インタラクティブ性、エンゲージメントの向上に取り組んでいる。こうした努力により従来型のテレビ局やCATVを補完、または凌駕する存在となってきている。
スポーツ中継が頼みの綱のテレビ局。ますます多様化する配信サービス
ビジネスインサイダー・インテリジェンスによる調査レポート「スポーツ配信エコシステム」では、スポーツコンテンツを提供するOTTサービスの多様化と断片化を分析。配信サービスやデジタル機器の普及によって、スポーツ観戦のあり方が進化している現状について報告する。
加えて、既存のテレビ局のスポーツ中継依存の実態とその背景、いくつかのスポーツの放映権がデジタル・プラットフォームに移行したことについて解説。多くのスポーツリーグの放映権が、近い将来に期限を向かえ、これを機にデジタル勢が権利獲得に動くことが予想されることについても触れる。
試合中継などのスポーツ番組が視聴できる動画配信サービスがますます多様化している。本レポートでは、既に普及が進んでいるものから新規のサービスまで、配信サービス提供業者それぞれの位置づけを分析する。これらのサービスには、無料と有料、ライブとオンデマンド、試合やそれを補完するコンテンツなど、さまざまなタイプがある。
コロナ感染拡大によるスポーツ中継中止の影響は?
コロナ禍において、有料放送を解約したか解約を検討している加入者が一定数いる。
Business Insider Intelligence
さらに本レポートでは、新型コロナウイルスの感染拡大が2020年におけるスポーツ中継と広告費に及ぼす影響について論じる。かつてない規模でスポーツ中継がなくなったことで、特にテレビ広告費がどの程度影響を受けるのか。感染拡大以降の広告主の動向や、今後12ヶ月の間に広告支出を変更するかどうかについての企業の考えを見ながら、今後の展開を予測する。
空いてしまった中継番組の枠を、初期段階にスポーツリーグや放送局がどう埋めたのか、それぞれの戦略を参照しつつ、視聴者がこれを機にデジタルやオンデマンドでのスポーツ観戦に親しみ、配信プラットフォームへ移行していく見込みについても論じる。
本レポートで言及される企業:
AB InBev, Amazon, AT&T, Bleacher Report, DAZN Group, DirecTV, Dish Network, English Premier League (EPL), FaceBank Group, Facebook, Fox, International Cricket Council (ICC), Major League Baseball (MLB), Major League Soccer (MLS), NASCAR, National Basketball Association (NBA), National Collegiate Athletic Association (NCAA), National Hockey League (NHL), NBCUniversal, NFL, PGA Tour, Procter & Gamble, Snapchat, TikTok, Twitch, Twitter, The Walt Disney Co., WarnerMedia, World Wrestling Entertainment (WWE), YouTube
本レポートのキーポイント:
企業や広告代理店がコロナ禍での出稿に関し、指標としているもの。
Business Insider Intelligence
- 有料放送の加入者のなかで、最も解約しにくいとされるのがスポーツファンだ。しかし、近年は配信サービスを好むスポーツファンも増えてきた。コンサルティング会社Altman Vilandrie & Coによると、アメリカのインターネット・ユーザーのうち、日常的にスポーツ番組を見る人の有料放送の加入率は79%、スポーツを見ない人の有料放送加入率は61%だという。しかし、ますます多くのスポーツファンが、他では提供されていないコンテンツを見るために、または有料放送の割安な代替手段として、配信サービスを利用するようになっている。Verizon MediaとSapio Researchの調査によると、スポーツ中継を見るために配信サービスを利用しているアメリカのスポーツファンのうち、57%は「テレビでは放映されない競技を見るため」と回答。38%が「有料放送より安いから」と回答した。
- 新型コロナウイルスの感染拡大によりスポーツ中継が中止となり、再開の目処も立っていない。アメリカで有料放送の解約が増えていたところに、この状況がさらに追い討ちをかける可能性がある。解約の理由として最も多いのは、「出費を抑えるため」だが、スポーツ中継が見られなくなったこともある程度影響しているようだ。ビジネスインサイダー・インテリジェンスが2020年3月31日に実施したコロナウイルスによる消費への影響に関する調査では「有料放送を解約した、またはこれから解約をしようと考えている人」の11%が、最大の理由として「スポーツ中継の延期」をあげた。
- アメリカでは、デジタル・プラットフォームでスポーツ中継を見る人の数が2018年と比較してほぼ倍増しており、今後はスポーツ中継の総視聴者数のなかでさらに大きな割合を占めるようになるだろう。調査会社のeMarketerの予想では、2020年のアメリカにおいて、デジタル的な手段でスポーツ中継を視聴する人は、3650万人となっている。これは2018年の1860万人から97%の増加だ。また、現在アメリカでは人口の11%がスポーツ中継をデジタルで視聴しており、その割合は2023年には14.2%まで増える見込みだ。この伸びに対し、「スポーツ中継を見る人の総数」は人口比で2020年に46.3%、2023年には46.9%と、わずかしか増えない予想となっている。
本レポートの完全版では:
- 有料放送や地上波テレビ局がスポーツ中継に依存するようになった背景を分析。市場的要因、視聴者の嗜好や消費習慣の変化などについて解説する。
- いくつもの主要なスポーツリーグの放映権契約が期限を向かえる2021年以降、デジタル・プラットフォームが契約獲得に動く可能性や業界勢力図の変化を予測。放送局の保有する権利と、デジタル・プラットフォームの保有する権利(アメリカ国内だけでなく世界的なものも含む)を見渡せる図表を掲載。
- スポーツ中継を配信する主要プレイヤーを列挙し、分析する。これらを運営するのは、スキニー・バンドル(ネット経由でテレビ放送が視聴できるマルチチャンネル・パッケージ)提供企業、メディア企業、スポーツリーグ、動画配信サービス・スタートアップ、IT大手、そしてソーシャルメディア企業など多岐にわたる。各企業の位置づけや提供するサービスを表にまとめる。
- さまざまな新しい仕掛けを通して、デジタル・プラットフォームがいかにスポーツ中継を変え、視聴体験を充実させていっているのかを示す。
- 全77ページ。エコシステムを俯瞰する9つの座標を含む40の図表を掲載する。
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(翻訳・野澤朋代、編集・佐藤葉)
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July 31, 2020 at 08:30AM
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変容するスポーツ中継のエコシステム:コロナの広告への影響と取るべき戦略とは【レポート】 - Business Insider Japan
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