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ワゴン絶滅寸前!! 苛烈なジャンル生存競争のなかレヴォーグはなぜ生き残れたのか? - ベストカーWeb

 昨年開催された東京モーターショー2019で、次期型のコンセプトモデルが発表されていた「スバル レヴォーグ」。

 そのレヴォーグが、ほぼ、コンセプトモデルのデザインのまま、早ければ今年中にもモデルチェンジとなる、との情報がある。

 レヴォーグは、2014年4月にデビューした、日本国内専売のステーションワゴンだ。ステーションワゴンは、欧州市場での需要が高く、海外メーカーではラインナップも豊富にそろえられているが、ここ日本では、1990年代のステーションワゴンブーム以降は、めっきり人気が落ち込んでいる。

 国産メーカーからは、今や、このレヴォーグのほかにカローラツーリングなど数車種あるのみという、まさに絶滅危惧種である。

 そんな、ステーションワゴンが全く売れない日本で、国内専売モデルであるレヴォーグがモデルチェンジまでする、というのだから驚きだ。レヴォーグは、なぜ、ここまで生き残ることができているのであろうか。

文:吉川賢一、写真:スバル

【画像ギャラリー】超名門レガシィからレヴォーグへ… 華麗な継投の系譜


スバルレヴォーグの魅力とは?

レヴォーグSTI Sport EyeSight(2019年改良)

 レヴォーグは、全長4690mm、全幅1780mm、全高1490mm、ホイールベース2650mmという小柄なボディをもつ。

 1.6Lのダウンサイジングターボを搭載した1.6GTシリーズ、もしくは、ハイパワーな2.0Lターボの2.0GTシリーズに、スバルこだわりの電子制御式4WDをかけあわせる。

 1.6Lターボには油圧多板クラッチによって前後輪の駆動力を配分するアクティブトルクスプリットAWD、2Lターボには高出力に対応するセンターデフ式のVTD-AWDを搭載。

 フルタイムAWDの性能をフルに生かす自慢のシステムは、オンロード、オフロードを問わず頼もしい走りをする。

 少し引き締まった印象の足回りによって、フワフワとした上下動は少なく、ダンピングに優れた乗り心地だ。インテリアの質感も十分だし、大人4名が快適に乗車できるだけの広さを持つクルマだ。

アイサイト使用イメージ画像

 またアイサイト(Ver.3)も、年次改良によって最新の「ツーリングアシスト」へと進化している。

 先行車を追いかけるようにステアリングホイールを操舵する機能と、追従機能付クルーズコントロールとを組み合わせることで、高速道路での0km/h~約120km/hの幅広い車速で、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作を自動制御し、ドライバーをアシストしてくれる。ロングドライブにはもってこいのアイテムといえる。

 このように、レヴォーグは、比較的コンパクトなサイズで走行性能も高く、また先進支援技術も豊富に備えた、完成度の高いステーションワゴンだ。

ステーションワゴンの教祖!レガシィはサイズアップの道を選んだ

初代レガシィツーリングワゴン

 ステーションワゴンは、同じくスバルの「レガシィツーリングワゴン」なくしては語れない。90年代のステーションワゴンブームは、初代レガシィツーリングワゴンの登場によって火が付けられた。

 全長4600mm、全幅1690mm、全高1470mmという、取り回ししやすい適切なボディサイズで登場した初代レガシィであったが、日本のステーションワゴンブームが下火となったことで、4代目以降は海外市場、特に北米の顧客からの要望を取り入れ、どんどんボディを肥大化させていった。

5代目レガシィツーリングワゴン(日本最終モデル)

 そして、日本国内ではツーリングワゴンが廃止となった6代目では、全幅は遂に1840mmにまで広がり、全長も4800mmと、ミディアムクラスの上限にまで拡大された。走行性能の高さ、安全性能の高さに加えて、居住性も大幅に向上させたレガシィは、こうしてグローバルで成功した。

レヴォーグはなぜ生き残れたのか?

レヴォーグ(2014年)

 レガシィのツーリングワゴンが廃止となった2014年に、レヴォーグはデビューしている。

 レガシィは、海外でヒットしたため、サイズアップを受け入れていったが、一方でスバルは、往年の日本のスバルファンの期待に応えるため、レヴォーグを昔のレガシィツーリングワゴンに近いサイズで世に送り出した。

 そしてそれは、吉とでた。現行レヴォーグは登場から7年目に突入しているが、昨今のSUVブームをよそに、いまだに売れ続けている。

表1.スバルレヴォーグの年間販売台数一覧

 さらに、レヴォーグが日本専売である、というところにも、レヴォーグがここまで生き残ってきた理由がある。自動車メーカーが新型車を開発する場合、そのクルマが最も売れるマーケットに合わせ、クルマを作りこむ。

 具体的には、パッケージング検討に用いる人体モデルの腕の長さ、足の長さ、座高などの体格データを、その国(地方)に合わせる、といった感じだ。

 例えば、北米市場メインのクルマだと「AM50」という基準に合わせる。成人アメリカ人(A)の男性(M)の、身長、体重などの分布の中央値(50パーセント)がもつ体型に合わせて設計しています、ということだ。

 もちろん、これはシート設計に限った話ではなく、例えば日本で売るクルマの場合、アクセルレスポンスやブレーキを、信号機の多い日本の道路環境に合わせていたり、サスペンション特性も、メンテナンスが行き届いた、日本のきれいな舗装路に合わせた設定にされていたりもする。

 軽自動車やミニバンが、どこか馴染むのは、まさに日本向けに作りこまれているからなのだ。

東京モーターショー2019で次期型レヴォーグプロトタイプが発表された。次期型はどんなモデルになるのだろうか?

 レヴォーグはクルマとしての出来が素晴らしいだけではなく、何より、日本のエンジニアが、日本人のために考え、日本人にとって馴染むように作られている、というところにも魅力があり、レヴォーグは、日本専売だからこそ、生き残ってきたのだ。

まとめ

 国内専売といえば、この6月に登場するハリアーも当てはまる。大きなボディに見せながらも、車幅1850mmに抑え、日本の道路事情に合わせて作りこまれており、デビューが待ち遠しい一台だ。

 一昔前だと、「海外で売れています!」というのも、売り文句になっていた時代があったが、輸入車の垣根も下がった昨今、むしろ国内専売で作られた車にこそ、魅力がある。クルマにも地産地消の思考が必要なのかも知れない。

【画像ギャラリー】超名門レガシィからレヴォーグへ… 華麗な継投の系譜

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May 27, 2020 at 07:00AM
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