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UFC
「5月9日、13日、16日(現地時間)、スポーツ界のトップを切って、UFCがフロリダ州ジャクソンビルから再開する。他のスポーツも後に続け! 仕事に戻ろう、アメリカ!」(UFC会長デイナ・ホワイトの『Twitter(ツイッター)』アカウント、5月2日投稿より)
日本時間5月10日(日)に無観客で開催されるUFC 249は、新型コロナウイルスの影響により、前回から実に8週間ぶりで開催されるファン待望のライブイベントだ。復活祭にふさわしく、ラインアップは超豪華。中でも目玉は、UFCライト級暫定王座決定戦、トニー・ファーガソン(アメリカ)対ジャスティン・ゲイジー(アメリカ)、そしてUFCバンタム級タイトルマッチ、王者ヘンリー・セフード(アメリカ)対挑戦者ドミニク・クルーズ(アメリカ)の2大王座戦だ。
ライト級正王者ハビブ・ヌルマゴメドフがコロナ禍で母国ロシアから出国できない状況の中、今大会のメインイベントではファーガソンとゲイジーがライト級の暫定王座を賭けて戦うこととなった。
予測不能のファイトスタイルと猛烈なプレッシャー、そして戦況不利に陥ってもしっかり立て直してくる対応力でライト級最長の12連勝を記録し、過去8戦で8回のファイトボーナス獲得と猛威を振るっているファーガソン。UFC 216(2017年10月)ではケビン・リーを下していったんはライト級暫定王座を獲得しており、今回獲得すれば2度目の暫定王座戴冠となる。
「かつてないほどの自信にあふれている。ゲイジーがもはや元の自分に戻れないほどに、削って削って削りきってやる。ヤツは自力でケージから出られなくなる」とファーガソンは恐怖の勝利宣言だ。
対戦相手や対戦日が何度も変更になる不確かな状況も、ファーガソンは意に介さない。
「選手としては、前を見て進んでいくしかないじゃないか。しっかりと準備して、オファーの電話があったらすぐに応じられるようにしておくしかないんだ。英雄は英雄同士でつるんだりはしない。UFCは試合を組んでくれる。自分は自分の仕事をするだけさ」
他方のゲイジーもUFC入りして以来6戦(4勝2敗)で7回のファイトボーナスを獲得している名勝負製造機であり、キャリア23戦で判定決着は2回だけという生粋のフィニッシャーである。
2018年屈指の名勝負、ダスティン・ポワリエ戦で黒星を喫してからというもの、ゲイジーは猪突猛進(ちょとつもうしん)のファイトスタイルに微調整を施し、辛抱強い試合運びをするようになった。それでもチャンスと見るや一気に全開になるパワーは健在で、最近も3試合連続で第1ラウンドKO勝ちを収めている。
「オレはファーガソンのボディを攻め、足を攻める。そして、ヤツがボディや足に気を取られた刹那、オレはヤツの顔面を殴りつけ、眠らせてやる。もしオレにそれができなければ、ヤツはおそらくエルボーでオレの顔を切り刻み、試合終盤にオレをチョークで締め落とすだろう。どちらのシナリオになろうとも、自分に納得できる戦いができる限り、オレは満足だ」
ホワイト会長は「ファーガソン対ゲイジーがUFC史上まれに見る大激戦になることを保証しよう。すごい試合になるはずだ。そしてこの試合の勝者が、ハビブとの王座統一戦に歩を進めることになる」と語っている。規格外の血闘のホーンは間もなく鳴る。
オリンピックチャンピオン(2008年北京五輪フリースタイルレスリング金メダル)、UFCフライ級チャンピオン(現在は返上)、UFCバンタム級チャンピオンと、3つのチャンピオンであることから、自らを“トリプルC”と呼んでご満悦のセフード。左肩の負傷も癒え、今回が11カ月ぶりの試合となる。
「オレの対戦相手は、有名な選手でなければならない。それに手術明けだから、チューンアップファイトが必要なんだ。だからクルーズなんだよ。クルーズのレガシーをさくっと頂こう。世代交代マッチだ」とセフードがベテランのクルーズを著しく軽視すれば、UFC 207(2016年12月)でコーディ・ガーブランドに敗戦して以来、1,226日ぶりに復帰のクルーズがトラッシュトークで引けを取るはずもない。
「ファンから見てセフードのキャラがピンと来ないのは、セフードが自分自身を分かっていないからなんだ。セフードは高校時代からスーパーエリートとしてちやほやされ、レスリングの道場が人生の全てだった。だからセフードは世間を知らない。セフードから金メダルとUFCタイトルを取り上げたら、ヤツは空っぽなんだよ。今回自分がセフードをぶっ飛ばし、世間の厳しさを教えてやる。思うように勝てない時、彼がいったいどうなってしまうのかが楽しみだ」
UFC 249は、UFCが休止していたここ8週間に予定されていた5大会分のエッセンスを詰め込んだような、スターパワー満載の豪華ラインアップとなっている。実際、メインカード登場10名中8選手、そしてプレリム登場8選手全員が、過去にUFCでメインイベントを張った実績のある選手なのだ。まさに全試合メインイベント級のマッチメイクだけに、見どころには事欠かない。
◆コナー・マクレガーとのスーパーファイトでKO負けを喫したドナルド・セラーニ(アメリカ)の現状はどうなのか
◆40歳になったジャカレ・ソウザ(ブラジル)の闘魂はまだ燃えているのか
◆前回、キャリア初黒星を喫したグレッグ・ハーディ(アメリカ)はあれ以来、どんな進化を遂げたのか
◆期待の新星カルヴィン・ケーター(アメリカ)はフェザー級上位陣との戦いに進出して行けるのか
◆フランシス・ガヌー(カメルーン)対ジャルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)はド迫力の短期決戦になるのか、それともこう着の長期戦となるのか
◆薬物検査失格による2年間の出場停止期間が明けた42歳、ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)は、ここから再びチャンピオンへの道を歩み出すことができるのか
こうしたさまざまなテーマとドラマを内包しつつ、乾ききったスポーツファンに降り注ぐ恵みの雨、UFC 249を今こそ心ゆくまで堪能し、退屈な自粛生活にリアルな興奮と感情を取り戻そう。
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May 07, 2020 at 12:42PM
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