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コロナ禍 スポーツの価値とは スペシャルオリンピックス日本理事長・有森裕子さんに聞く:スポーツ(TOKYO Web) - 東京新聞

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 新型コロナウイルスの感染拡大でスポーツが中断を強いられている現状は、平和な社会があってこそスポーツが存在できるという事実をあらためて突きつけた。社会におけるスポーツの価値とは何なのか。スポーツ界はどう社会に関わっていくべきか。女子マラソンの五輪メダリストで、知的障害者のスポーツへの参加を推進する国際組織「スペシャルオリンピックス(SO)」の日本理事長、有森裕子さん(53)に聞いた。 (神谷円香)

 −東京五輪・パラリンピックの延期に思うことは。

 スポーツは、社会が安心安全、平和でなければできない。「人類が健康でなければスポーツはない」とまず知ることはとても大事。スポーツができないからどうこうではなく、スポーツをやれるようにするためにも「社会をこうしよう、こうなってほしい」「競技以外にやることがある」と考える機会。まさに今、一番大事なことを知るタイミングが来たと思っている。

 −SOは知的障害者のためにトレーニングと競技の場をつくり、五輪・パラと同じように4年ごとに世界大会を開いている。競技性の高い五輪・パラとは、理念が違う?

 本来、理念は同じ。五輪もパラも本当は競うものじゃない。世界の平和の祭典で、全ての国に参加する権利がある。世界一を決める世界選手権ではなく、強い者だけが出る大会ではない。

 SOは競技力などで参加者をグループ分けし、全員を表彰して参加をたたえる。2002年、東京での国内大会で初めて宣伝に関わった。誘われた時「知的障害者にスポーツの場を提供している」と言われ、「提供されないとスポーツができないのか」と衝撃を受け、協力した。競技性を見せられないものも多いが、理念は違わない。

 SOでは、スポーツを通じて「何かをなしえる、できる」と見せる。知的障害者と健常者がコミュニケーションを取りながら互いを知る独自の取り組みもある。スポーツはあくまで手段で、目的ではない。

 −選手にとって五輪に出る意義は。

 それはそれぞれの価値観や将来設計でさまざま。ただ、自分の望みをどう表現するかは別として、スポーツの祭典としての意義があるのは変わらない。私は「生きるためにやっている」という思いはあった。強いとできることが増える。メダリストになり、国際的な活動に入る機会もたくさんあった。

 商業主義、私利私欲に走る人や企業が入ってくると、選手も勘違いし始める。コントロールされ、プレッシャーがかかり、つぶれるということが繰り返されている。

 −今、スポーツができることは。

 まず社会を平和に、安全にする、それがあってこそのスポーツ。そのために何ができるか、日常的に考えて生み出せれば、スポーツが好きではない人からも応援される選手が増え、本当の意味で、スポーツ界は支援が得られる。「この世界の状況をどう収めるか、全力でなすべきことを考えている」という態度を出すべきで、「五輪がいつ開催されるか」「予算はどうか」という話は内輪でやればいい。今競技ができないのは仕方がない。嘆くだけじゃなく、組織も選手を社会に寄り添わせる発言をしてほしい。

<ありもり・ゆうこ> 女子マラソンで1992年バルセロナ五輪銀メダル、96年アトランタ五輪銅メダル。2007年に引退し、08年から公益財団法人スペシャルオリンピックス日本理事長。国際陸連女性委員会委員、国連人口基金親善大使なども務めた。岡山市出身。

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April 20, 2020 at 05:30AM
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