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ワクワク楽しいことを、本業にするために転職。スポーツで地方を元気にしたい。 - Glocal Mission Times

「「地方創生」という課題に、「スポーツ」という切り口で挑もうとしているビジネスパーソンがいる。中村健太さん(41歳)だ。スポーツメーカーの営業やサッカークラブのGMとしてキャリアを積んだ後、胸の中に温めていた「スポーツでの地方創生」という心底やりたかったことを実現すべく、広島に本社を置く「みらい株式会社」に転職した。と同時に、実家に近い愛知県へ移住。「場所」にとらわれない新しい働き方にも挑んでいる。

日本は遅れている。でもそこが伸びしろだと気づいた

中村健太さんは岐阜県出身。東京の大学を卒業し、2社目に勤務したのは、スポーツブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店である「株式会社ドーム」だった。2019年まで約12年勤務した。

今でこそ「アンダーアーマー」は数々のプロアスリートも愛用する人気ブランドだが、中村さんが入社した当時は、日本国内ではほぼ無名。サンプルをバッグに詰め込んで全国を飛び回りアンダーアーマーを浸透させる営業の仕事をまず2年半続けたという。そこから商品企画でサッカーのウェアやスパイクも作ったり、プロチームと一緒にスポーツ産業化に取り組んだり、とにかく入口から出口まで全てを経験した。
転機が訪れたのは、入社10年目のこと。会社の新事業として福島県いわき市に発足されたサッカークラブ「いわきFC」のGMに就任。スポーツを通じた地域づくりに取り組むようになった。

そうした経験を経て、中村さんは改めて、スポーツの大きな可能性に気づいたという。

「スポーツの定義を言うと、健康、教育ですよね。スポーツをすれば健康や教育に繋がる、というのはなんとなくイメージできると思うんですが、それが経済にも繋がるという理解が日本では全然進んでいないことを知ったときは驚きました。スポーツの産業化が進んでいて、スポーツは儲かると理解されている欧米とは大違い。でも、日本ではそれが逆に伸びしろだということに気づいたんです」

だが、実際に皆でやろうとなっても、それぞれ本業があるし時間が経つにつれて難しくなってくるし、できることに限界を感じた。「そこを引っ張ってくれるプロがいたらなぁ」と誰かしらがいった言葉がずっと引っかかっていて、だったらその枠組みを飛び出して、自分がそのやりたいことを本業にしたい。スポーツで地方創生をやりたい!という思いが、ふつふつと湧いてきたんですよ」

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今回お話を伺った、中村 健太さん

スポーツが持つ、地域を変える力

中村さんが考える「スポーツでの地方創生」とは、さまざまな専門家とともに構築したノウハウを可視化し、アスリートや子どもたちにだけでなく、地域の人々に広く伝えていく仕組み作りを指す。

「例えば、いまの日本の大半の指導は氷山の一角に過ぎないんです。体験談とか経験とかで教えることは非常に重要なんですが、そこだけではなく、その下に、スポーツ栄養学やスポーツ生理学、健康教育学、スポーツ哲学など、いわゆるスポーツ科学と呼ばれるところがあって、それらをわからないまま指導にあたっていると、根本解決にはならない。これらを薄く広くでも良いので知っていると全然違うんです。そういったところを紐解いて、可視化しながら、わかりやすく伝えていくことで、選手も育つし、指導者も育つし、いずれ街づくりにもつながってくる。高齢者のヘルスケアにも繋がるし、子供の教育にも全部繋がっていく。そんなことを今、行政や大学の研究機関と力を合わせながらやろうとしているんです。実際、海外ではこういう取り組みが進んでいて。だったら日本でもできると思うし、なぜやらないんだと思っています」

そんな夢を実現するために、中村さんが2019年に転職したのが、広島市に本社を置く「みらい株式会社」だ。
同社は地方自治体の活性化や民間企業のイノベーションを得意とするコンサルティング企業。中村さんは知人から同社の妹尾暁社長を紹介され、初めて会った日のことを鮮明に覚えているという。
「言葉を交わせば交わすほど共感しましたし、僕の悩みも一発で分かってもらえました。僕がこんなことをやりたいと思っていると伝えたら、ニコニコ笑顔で『それ全部やってよ』と。でも僕にはここからここまでしかできませんと正直に言うと、『できないところはあって当然、その部分は協業先やパートナー企業を巻き込んでやっていけばいい』と。今までは全て自分たちで組み立てて完結させようといった考えしかなかったので、その言葉自体が新鮮だったし、仮にそれが実現できなかったら直接サポートするからと、社長の言葉に吸い込まれていきました。その初めての出会いが忘れもしない12月25日、クリスマスのこと。今までクリスマスといえば最愛の妻との甘い思い出が一番でしたが、それを凌駕するぐらいの勢いある熱い日でした(笑)」

キーワードは、「根本解決」

中村さんは「根本解決」という言葉を大切にしている。この言葉にこだわるようになったのは、高校生の時に、ある挫折を味わったことがきっかけだった。

スポーツとの出会いは小学1年生の時。地元のサッカーチームに入り、以来、小・中・高・大とサッカーに熱中した。高校3年生の時にはインターハイの全国大会にも出場。だがそこで衝撃を受けた。
「準々決勝まで行って、桐光学園の中村俊輔選手と対戦したんです。死に物狂いでやったのに全く敵わなかった。これが日本代表になり世界に出ていく選手かと…。自分たちも一生懸命やってきたという自負があるんだけれども、やっぱり全然違うということを思い知らされたんです。非常に悔しかったですね」

だが、そこからの意識の転換が、中村さんのターニングポイントになった。
「あの時、高校時代にもっとできることは無かったのか?と考えるようになったんです。そして、今の子供たちへの教え方とか、カリキュラムとか、指導者のあり方、そういうものを解明して世の中に発信していきたいと考えるようになりました。自分は努力してもだめだった。でもそこを生まれ持った才能といった言葉だけで片付けたくない、それはなぜか?ということも根本解決できなかった。そこをちゃんと教育に繋げられるようになるべきだと思ったんです。自分自身の解決にもなるし、それを世の中にも共有したかったから」

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やがて、「アンダーアーマー」の営業時代に培った人脈が、その思いを実現していくための財産になっていった。営業先でお世話になった監督、プロ選手、スポーツトレーナー、大学教授、全国の地方自治体の方々だ。

「人脈は、日本全国を回りましたから色々な人と繋がっていますね。例えば、北海道にはこの人、沖縄にはこの人、という信頼できる人がいて。僕自身には力はないんですが、そういう人たちに相談に乗ってもらって、徹底的に学ぶことをしてきました。ちゃんと自分のものにして、自分の言葉にしてやろうと。自分の弱いところを把握しているというのが、ある種の強みなのかもしれません。そこを、強い人たちの力を借りながら補っていくという姿勢で仕事をしてきました。」

うらやましいほどの人脈を持つ中村さんだが、人脈を広げるコツがあるのだろうか。
「そこも根本解決だと思っています。合理的にものを進めていくということをちゃんとやっていれば、周りが自分に対して好意を持ってくれて、逆に向こうからアポを取ってくれるんです。次はいつ来るのか?とか、今度来たらこの人に会っていけとか言ってもらえるのが本当に嬉しかったですね。私も逆の立場だったら根本解決してくれて合理的に物事を進めてくれたら嬉しいので。そこをずっと突き詰めていくと、そういう人たちと出会えるし、自分に無い知見を得ることもできるんです」

場所を問わない働き方がもたらすもの

最初に聞いたときはこちらも驚いた。てっきり会社がある広島へ移住したと思い込んでいたが、中村さんの現在の住まいは愛知県だという。「親のそばにいたい」という思いから、転職と同時に、実家に近く出張に出やすい愛知県に移住したのだ。つまり、現在は会社には通勤していない。

「月に1回は社内のミーティングがあるので広島に行くんですけれど、普段のコミュニケーションはZoomでもLINEでもいいし、そこでほぼ解決できちゃいます。ですから転職前とのギャップはすごく感じますね」

以前勤めていた会社では、月曜日の午前中から2~3時間のミーティングが当たり前だった。さらになにか問題が起これば、そのたびに関係メンバー数十名が同じ会議室にこもり、何時間もミーティングを重ねた。
「多いときは、朝9時から夜までパンパンに会議が入っていました。昼食を食べながらミーティングする感じ。ところが今は早ければミーティングが10分や20分で終わっちゃうし、それでもちゃんと要件は伝わってるんですよ。それが最初は衝撃的で(笑)。ミーティングが終わった後も、議事録書かなくていいの?と心配だったんですが、よく考えれば今は録音だってできますしね。転職して、働き方はすごく合理的になったなと思います」

働き方の改革は、仕事に対する考え方にもいい影響を与えているという。
「普段は社内の同僚とも会わないので、会う時はすごく貴重な時間になるんです。だからそれに向けてきちんと準備をするし、資料も的確に伝えたいことを一番最初に持ってくるようになりました。あとはすぐに理解してもらえ頼れる仲間がいる。常に一緒の空間にいなくてもいいということが今はよくわかるし、リモートでもあらゆる手段で繋がることはできるわけで、海外に行ってもそれでやっていけると思いますね」

仕事をするうえでの枠組みからも解放された。以前は「お客様」も限られていたが、今は違う。提案する「お客様」に限りはなく、地域も日本全国どこでもいい。

「仕事の幅は本当に広がりましたね。スポーツで地方創生させるためであれば、誰と、何をやってもいいんです。自分の提案も広がるし、知見を持っておかないといけないから今までよりも会う人が増えました。大学教授ともよく会うようになったし、今まで読んだこともない論文も読むようになりました(笑)。それから市長や、大きな企業の代表にも。これまで直接接点を持つ機会がなかったような人たちと一対一で話す場面も増えました」

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遊休施設もスポーツで有効活用できる

入社2年目の現在は、1年目に蒔いていた種を実現する作業の真っ最中だ。例えばその1つが、遊休施設の有効活用である。

「広島県を問わず、地方にはすごくたくさんの施設があるんですが、使われていないものも多いんです。だからこれをもっと有効活用しようと。観光とか産業とかいろいろ活用しようとしても、なかなかうまくいっていないと聞きます。でもスポーツだったら、いろいろな入口からアプローチや提案ができますし、実際にその提案が採用されはじめました」

例えば、廃校もそんな遊休施設の1つ。
「全国には7000校近くの廃校が存在し、あまりうまく使われていない実態を多く見てきました。ただ、運動場をリメイクすればちゃんとしたフィールドになりますし、ミーティングルームもあるし、そこに2段ベットやおしゃれな家具を入れたら宿泊施設にもなります。やり方次第ではインバウンドの可能性も出てくる。食堂があることも大きいですね。アスリートへの食事が作れるので。あとはその地域の主婦やおばあちゃんなどの料理のプロにスポーツ栄養学を伝えるだけで、真心がこもった最高のおもてなしができるようになる。そうなってくると本当にいい合宿施設が作れるんです。ただ、一業者の力だけでは実現できません。地元の方々や行政、大学など、いろんな人たちの参加が必要になってくる。そこの旗振りを、当社がやりたいと提案しています」

しかも、みらい株式会社の特徴は、旗振りだけで終わらないことだ。具体的なオペレーションの仕組みまで構築し、あとは実行するのみ、という段階までサポートしていく。
「オペレーションまで回さないと、本当の意味で地方創生にならないと思っています。
よくコンサルとかが言われているのを耳にします。構想だけ考えて何もやらない、できないじゃないか、じゃあ実際誰がやるんだ?って。そういうところへ僕たちが入っていって、地域の方々と仕組みを作り、ノウハウを落として、その地元の人だけでできるようにすることが、僕たちのゴール。そこまでやろうとする会社はなかなかないんです。でもそこまでしないと根本解決や地域課題解決にはならないし、形骸化してしまうので、そこが僕たちの強みだと思っています」

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本質をとらえていれば、地域性は関係ない

現在は広島に軸足を置きつつも、全国の地方を飛び回る日々を送っている。もともとは中村さんにとって、縁もゆかりもない地域ばかり。だが、「壁」は感じないそうだ。
「この地域は保守的、ここは積極的、ここは内向的…といった話をよく聞くんですけれど、僕はそれを1回も感じたことがなくて。もちろん、提案する前はその地域のことをいろんな角度から調べて、ある程度理解した上で行います。ですが要は、その提案が本質をとらえているかどうか。本質をとらえていれば、理解してもらえるし、納得してもらえると思っています」

本質をとらえるとは、どういうことか?

「大きな視点と目先を持っていることだと思います。例えば、肥満を解消するためにスポーツで施策を打つ、みたいな提案書を依頼されたとします。肥満から入ると、健康プログラムを組めばいいじゃんという話になりがちなんですが、それはあくまで一時的なことなんです。肥満になるということは、社会構造の変化に何か原因があるのではないか?例えば子供たちの遊ぶ空間がなくなっているのではないか?公園が少ないんじゃないか?そうなると遊ぶ仲間も時間もなくなってくるのでは?だったら何をするべきか?という視点で考えていくことが大事。僕が住んでいるところもそうですけれども、公園があっても、ただ仕切られているだけなんですよね。どうやって遊べばいいのかわからないし、かといってそこでボールを蹴ると怒られるし、その空間をどう使えばいいかよくわからない状態になっているんです。私たちの子供の時代と大きく変わってきている。だったら子供にそういった場を提供する。子供たちが「走る・飛ぶ・投げる・掴む」というスポーツの基礎が自然と学びつつ遊べる場所を提供するべきですよね。それが根本解決の1つの例じゃないかと。であれば、毎年健康プログラムを組んで、高い予算つぎ込んで著名人を呼ぶより、空間・仲間・時間を大人が作るようにしましょうよとか、いま教え方が難しいとなっている体育のプログラムを見直しましょうよとか、そういった提案ができるわけです」

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中村さんが目指すのは、スポーツによる課題解決と、新しい価値の創造。それは、みらい株式会社が掲げるスローガンでもある。

「企業誘致、遊休施設、廃校、インバウンド、子育て支援…。地方が抱える課題はいっぱいあるんですね。それぞれ1点だけで考えているとなかなか解決に向かわない。でもスポーツは、すべての入口にアプローチできるんです。スポーツを軸にして掛け合わせれば、地域のさまざまな課題が解決できると僕は思っています。実際それが形になってきていますし」

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みらい株式会社が主催する地域課題解決セミナーにて登壇する中村さん。第一回目は「スポーツを軸に地域活性化を語る」をテーマに、スポーツが持つ可能性やスポーツ産業化への取り組みについて講演した

地方のほうが便利だと感じる理由

現在の会社に転職する直前は、福島県いわき市に住んでいた中村さん。20年過ごした東京を離れいわき市で暮らした時に、地方の良さを改めて感じたという。

「地方は不便だと感じる人も多いと思うんですが、僕は逆に、地方の方が便利だなと思いました。東京にいると、首都高でサイドブレーキまでかけて止まることがよくありましたが、地方だと、あそこは渋滞だから気をつけなと言われても、かわいい渋滞ですから、スイスイ行ける。あのお店混んでるよと言われてもいざ足を運んでみると全然混んでないし(笑)。そう思うと楽しいですよね。鮮度のいい美味しいものもたくさんあるし。車に乗れば、子供とすぐに大自然にも行けるし」

現在暮らす愛知県でも、都会にも田舎にもすぐに行ける場所を選んだのだとか。
「車で5分程度で畑や山や川がありますし、名古屋の都心へも数十分で行けます。そういうところに住みたかったんですよね。東京では、いい公園があっても行くまでに時間がかかるし。でも地方は至る所に自然がありますから。本当に子育ては田舎の方がいいなと思います」

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自然豊かな環境は、仕事の質を上げる効果ももたらしているようだ。自宅で行き詰まると、自然に向かって出かけるという。
「森でジョギングをしたり、プチ登山したりしています。自然の中にいると発想が豊かになるし適度な運動すると頭も活性化されますので。そういう実証実験のデータもあるんで率先してやってます。知育と体育の連動です。結局仕事にもつながってきて、いまやっていることを提案しようとかなってくるし。決して遊んでいるわけではないので、この行動に対してはうちの社長であれば理解してくれています、と思います(笑)」

ちなみに、仕事場も兼ねる自宅は一軒家。長らくマンション住まいを続けてきたが、愛知県に定住する覚悟でマイホームを建てた。
「やっぱり親のそばで暮らしたかったですから。一軒家を買ったので、家族も安心していますし、妻への得点も稼げました。費用も東京とはかなり違いますよ。名古屋といっても東京と比べるとやはり物価も安いですから」

気になるのは収入の変化だが、なんと転職前より上がったそうだ。
「これからは、東京で働くから高い、とかではなくて、どこで働いても変わらないという時代がきて欲しいなと思います」

「どこで」ではなく、誰と、どんな仕事をするか

中村さんはこれまで、岐阜、東京、福島、愛知で暮らしてきた。都会もあれば、地方もある。だがそれぞれの場所に、それぞれのよいところがあると感じてきた。

「本当に、住めば都なんです。だから、どこで仕事をするかよりも、なんの仕事をするか、誰と仕事をするかだと思うんですよ。最近はあらためて、大事なのは人だなと感じていて。人と共感ができていればビジョンも連動するし、すべてがハマっていきますから」

なかでも印象深かった出会いは、みらい株式会社の妹尾社長と、もう1人。元サッカー日本代表で、現在は解説者として活躍する金田喜稔(名蹴会会長)さんだ。

「金田さんとの出会いは僕の中ですごく衝撃的で。金田さんはいまだに日本代表の最年少得点記録保持者で超有名人なのに、縁もゆかりもない僕の、サッカーに対する思いやスポーツビジネスにおけるビジョンを真正面から聞いてくれました。金田さんはとにかくしゃべりが上手い。想いを言語化し、整理整頓できる力が半端ないんですよ。めちゃくちゃ頭がいいし、その中で覚悟という言葉を学びました。本当に覚悟ができていれば、迷うこともないし、照れることもないし、戸惑うこともない。とにかく突き進めと。お前が売り上げを伸ばそうとしている気持ちは分かるけれども、悩んでも仕方ないよと。悩む前にちゃんと覚悟しろと。この仕事で食っていくんだ、このプロジェクトを絶対成し遂げるんだ、という覚悟がないから悩んでしまうし、途中で余計なことを考えちゃうんだと。まず、覚悟しろと。それを踏まえた上でやらないと何も始まらないぞと。そういう金田さんの言葉がいつも心の中にあるんです。だから今は何事でも、お客様と向き合う時は、覚悟を持って向き合っていますし、こちらの方が覚悟を決めているから、相手よりも腹が座っているというのかな。だから相手が思っていたよりも熱い提案ができる。そこが自分の強みだと思っています」

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最後に、地方への転職を考えている読者にアドバイスをお願いした。

「僕の場合、住む場所は悩むにも及ばない、ほんの些細なことだったんです。どんなビジョンを持った社長と、どんな仕事を行っていくのか。それが全部解決できちゃったので、どこに住んでもいいし、近所付き合いに尻込みすることもないし、楽しんでいればいいじゃん、というスタンス。だから転職して本当によかったと思っていますね。自分がやりたかったことができているし、本当に優秀な仲間たちにも出会えました。日本ではまだまだ転職というとネガティブなイメージもあるじゃないですか。でも海外では、1つの会社にとどまっていると、お前は仕事ができないのか?と思われるんだそうです。僕自身も今、新たなキャリアを構築できていると思うし、人生がより良い方向へシフトしました。転職にネガティブなイメージを持っていたら、もったいないと思う。自分の軸と覚悟を持っていれば、いくらでも道は拓けると思うので」

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March 30, 2020 at 06:00AM
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