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欧米の最新動向は? 5G時代のIoT競争、世界の覇権はどこが握るのか - ビジネス+IT


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IoTプラットフォームからひも解く欧米企業の現状

(Photo/Getty Images)


日本企業のIoT導入率は1割程度

 2020年の世界経済は、超波乱な展開となっています。「東京2020オリンピック・パラリンピック」が延期されるなんて、だれが想像したでしょう。今後、日本企業が直面する困難は筆舌に尽くしがたいものになりそうです。
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 そのような状況下、IoT(Internet of Things)を取り巻く市場環境はどのようになっているのでょうか。さっそく紐解いてみましょう。

 IoTで収集したデータを活用してビジネスを加速させる…。近年、IoTに対する注目は高まっています。しかし、調査会社などのレポートによると、日本企業でIoTを活用している企業は、2019年時点でまだ1割程度とのことです。その内容も欧米の先行事例をPoC(概念実証)で真似る内容が多く、本気でIoTの事業展開を目指している企業はまだわずかです。

 先行事例として紹介されるのは、米国の農機大手ディア・アンド・カンパニーや航空機エンジン、電力、ヘルスケアを手掛けるエレクトリック(GE)、ドイツのシーメンスやボッシュ、フランスのダッソー・システムズ(以下、ダッソー)やシュナイダーエレクトロニクス、中国のファーウェイや建設機械大手のXCMG(徐工集団)などです。いずれも、IoT技術を活かした製品/サービスの事業化に着手しています。

 日本企業では、スマートコンストラクションに取り組む小松製作所(以下、コマツ)やスマートファクトリーを手掛ける三菱電機などが、新しい事業化に挑戦しています。

 IoT普及のポイントとなるのは、「製造業のサービス化」と「DX(デジタルトランスフォーメーション)による破壊と創造」の2つでしょう。先行する欧米や中国では、企業内のPoCから事業展開のフェーズに入っています。企業間・業界内のエコシステム構築に取り組んでいる企業も少なくありません。一方、日本は企業内のデータ収集や可視化のプロセスとして利用されています。

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製造業のサービス化:モノ(製品)とコト(サービス)の価値提供

(出典:『デジタルファースト・ソサエティー』 頁31~33 日刊工業新聞社、2019年12月11日刊)


日本は“様子見の姿勢”で出遅れ

 日本におけるIoTの取り組みは、2015年ごろから始まりました。それから約5年間を経たわけですが、日本企業の取り組みは一部先行する企業を除いてあまり進んでいません。ドイツや米国の先行事例を参考とした機能レベルの再現や取り組みは成功しているものの、実装やビジネス化への取り組みで遅れているのが現状です。

 欧米と日本を比較すると、特にビジネス展開でその差が広がっているように思います。日本企業の大半が、欧米企業のユースケースをPoCレベルで再現したことで「我々もIoTができる。欧米には負けてはない」などと自己満足してしまい、ビジネス化に進まないケースが多いのです。

 一方、ドイツや米国の企業は、当初の計画からは遅れているものの、着実に前に進んでいます。またフランスや北欧、中国などの企業はこれに追従しています。特に中国やASEAN新興アジア諸国は、国家をあげてIoTやAIに取り組んでいます。その結果、いつの間にか日本を追い越しつつあるのが現状です。

 こうした国では、半導体や通信、電力、スマートシティなど、大規模な設備投資や法改正を必要とする産業で、国家の強力なバックアップが強力な推進力となりました。

 それに対して日本は、同じ産業領域に複数の企業が乱立していることや、国家戦略として特定の企業や業界へのバックアップが足りなかったなど、さまざまなマイナス要因があります。

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DXステージ:企業DX(自社内)→業界DX(企業間)→社会基盤DX(業種間)

【次ページ】ここ数年で様変わりしたIoTプラットフォーマー

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March 30, 2020 at 05:16AM
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