スポーツ産業に着目して留学をした理由とは?
– 早速ですが、忰田さんは経済産業省に入省した後に2年間オーストラリアに留学したという珍しいキャリアの持ち主だと思います。どんな想いがあって留学を決意したのでしょうか?
端的に言うと、「スポーツ産業を活性化させて幸せな人を増やしたい!」という想いから、スポーツビジネスを学ぶためにオーストラリアへの留学を決意しました。
高校や大学でプロになりたいと思って本気でスポーツをやっていた友人達も、中々スポーツ関連の仕事に就けないという現状を目の当たりにし、自分はそれを変えたいと思っていました。
そんな中、2020年に東京でのオリンピック・パラリンピックの誘致が決まりました。日本のスポーツに対する関心が高まる中、人事院の留学制度を活用してスポーツビジネスを学ぶために留学をしました。
– 「スポーツ産業を活性化させて幸せな人を増やしたい」という想いが、忰田さんを突き動かしたわけですね。スポーツに対してそこまでの熱い想いを持つようになったきっかけなどはあるのでしょうか?
小さい頃から水泳や空手、野球などスポーツが好きでスポーツに助けられてきたという経験が大きいと思います。保育園の時に喧嘩が弱くいつも泣かされていたことから、父に連れられて空手を始めました。また、人見知りのところがあるのですが、スポーツを通して友達ができました。留学中も最初は英語が通じずどうしようかと思っていたのですが、野球やクリケットを通じて友人ができました。本当にスポーツに助けられたと感じましたし、スポーツの価値を改めて感じました。
– 忰田さん自身がスポーツに助けられたという体験がきっかけなのですね。ところで、なぜオーストラリアを留学先として選ばれたのでしょうか?
留学申請をした2014年当時はスポーツ庁もまだない時で、スポーツで収益をあげるということ自体がなんとなくネガティブな印象を持つ風潮がありました。また、これまで多くの先輩がアメリカやヨーロッパでMBAを取得してきました。ただ、文化や制度の違いもあるのか、欧米のビジネスモデルをそのまま日本に導入できるかといったらそうでない。特に、アメリカのTHE資本主義的な考えをいきなり日本のスポーツ界に持ってきてもそう簡単には進まないだろうなと感じていました。
また、調べているとオーストラリアはスポーツ実施率が70%を超えている。スポーツをレクリエーションとして捉えている等々、色々と面白そうな情報が出てきました。また、英語圏ということで、留学後の汎用性もあると考えオーストラリアを選びました。
【インタビュー】
スポーツ庁参事官補佐 忰田康征
◆経歴◆
・1986年福岡県北九州市出身。2009年早稲田大学卒業後、経済産業省に入省。地域経済政策や貿易政策等を担当。
・2015年から2年間オーストラリアに留学し、グリフィス大学でスポーツマネジメント修士号を取得。
・2017年6月からスポーツ庁に出向中。
・スタジアム・アリーナ改革やスポーツ経営人材の育成・活用、SOIP(スポーツオープンイノベーションプラットフォーム)、スポーツシェアエコの推進等を担当。
・スポーツ界と他産業間の交流を促進するため、プライベートでもスポーツビジネス交流会を開催。
【取材元】スポジョバ
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公開日:2020.04.01
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