難聴でもリズム運動を 白山のスポーツクラブ - 中日新聞

音を振動化、機器使い独自レッスン

利用者らと一緒にオンテナを使って体操する門脇翠さん（右）＝白山市北安田町で

　音を振動や光で感じ取る機器「オンテナ」を使い、聴覚に障害があってもリズム運動を楽しむレッスンが二十日、社会福祉法人仏子園（白山市北安田町）内のスポーツクラブ「ゴッチャ！ウェルネス」であった。トレーナーで、自らも難聴の門脇翠（みどり）さん（２７）がプログラムを考え、参加者と一緒に体を動かした。（都沙羅）

　オンテナは、音の特徴を振動や光で発する機器。手首や耳たぶなど体に着けて音を感じる。富士通（東京都）などが聴覚障害者と共同で開発し、同社によると、福祉施設で活用されるのは全国で初めてという。

　門脇さんは先天性の重度難聴があり、二〇一三年のデフリンピック（聴覚障害者の総合スポーツ大会）陸上競技に日本代表として出場した経験がある。施設内のスポーツクラブでは昨春から働き、当事者として「耳が不自由でも楽しめるレッスンを」と企画した。

　この日は、リズム体操やヨガなど七教室が全てオンテナを使って開かれた。リズム体操では、健常者も含む利用者約二十人がオンテナを手首に着け、メトロノームのリズムに合わせて発せられる光や振動を頼りに手足を動かした。

音に反応して光るオンテナ

　聴覚に障害のある喜多拓也さん（２７）は「リズムと同じタイミングで振動を感じた。体を動かせて楽しかった」と手話で話した。

　クラブは今後、オンテナを使った教室を日常的に開くことを検討している。門脇さんは「誰でも運動の楽しさを感じられる魅力的なレッスン」と手応えを感じている。

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March 21, 2020 at 09:11AM
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