
ことし4月、桑名市の高速道路で、パーキングエリアの入り口手前の駐停車が禁止されている場所に止まっていたトラックに別の車が追突し、運転していた男性が死亡する事故があり、トラックの運転手が警察に対し「パーキングエリアがいつもいっぱいなので手前の路上で休憩していた」と説明していたことがわかりました。
背景には近年、東京などでも多発している高速道路の深夜割引を受けたいトラックによる混雑、いわゆる「0時待ち」と呼ばれる現象があると見られ、警察などが違法駐車の取り締まりや対策を強化しています。
ことし4月28日の午前4時半ごろ、桑名市の伊勢湾岸自動車道の下り線で「湾岸長島パーキングエリア」の入り口の手前に止まっていた大型トラックに、別の車が追突し、運転していた男性が死亡しました。
大型トラックが止まっていたのは駐停車が禁止されていた道路右側のスペースでした。
警察が大型トラックの運転手に事情を聴いたところ、「このパーキングエリアはいつもいっぱいなので、駐車できないと思い手前の路上で休憩していた」と説明したということです。
高速道路ではETCを利用した車が深夜0時から午前4時までの間にわずかでも道路上にいると料金が3割引きになるサービスがあり、「NEXCO中日本」などによりますと今回の事故現場周辺のパーキングエリアやサービスエリアは、この割引を得るために待機しているいわゆる「0時待ち」のトラックなどで夜間、恒常的に激しい混雑がおきていて警察は事故の背景の要因とみています。
同様の現象は東名高速道路の東京料金所の手前など、各地の高速道路で多発していて、警察などはパーキングエリアなどに入れずに手前の駐停車禁止のスペースに止まっている車が事故を誘発する恐れがあるとして取り締まりや対策を強化しています。
【深夜に起きる大渋滞・深夜割引を受けたい“0時待ち”の実態】
NEXCO中日本によりますと、高速道路のパーキングエリアやサービスエリアなどでは、深夜割引を受けたいいわゆる“0時待ち”のトラックなどで特に深夜の時間帯に混雑し、満車となるケースが多く、“0時待ち”の車のほか休憩したいのにパーキングエリアなどに入れない車が周辺の道路脇など駐停車が禁止されているスペースに違法に止まっている状況がしばしば見られるといいます。
このうち亀山市にある「亀山パーキングエリア」で取材したところ、午後11時ごろにはほぼ満車となり、パーキングエリアに入るための減速用の車線の脇などにトラックが次々に止まっていく様子が確認できました。
また、東名高速道路の東京料金所では、午後11時50分すぎには、料金所の手前の路肩などにトラックが止まって列をなし、大渋滞となりました。
そして午前0時をすぎると、今度は、次々と高速道路を降りていく様子が確認できました。
NEXCO中日本ではこうした現象はいずれもETCを利用した車が深夜0時から午前4時までの間にわずかでも道路上にいると、料金が3割引になるサービスを受けたいドライバーが多いことが背景にあるとみています。
【“深夜割引待ち”背景の事故 東海4県でも過去に死亡事故】
NHKが、三重県と愛知県、岐阜県、静岡県の東海4県の警察に取材したところ事故発生の時間帯や運転手の供述などから過去5年あまりの間に、“0時待ち”が背景にあった可能性がある事故で亡くなった人が、今回の事故を含め、少なくとも3人にのぼっていることがわかりました。
このうち、三重県では3年前の10月9日、午前3時ごろ、新名神高速道路の「鈴鹿パーキングエリア」へ向かう道路の脇に止まっていた大型トラックに中型トラックが追突し、中型トラックの運転手が死亡しました。
大型トラックの運転手は警察に対し「駐車場がいっぱいでこの場所に止まっていた」と話していたということです。
また、愛知県では5年前の7月13日の午前0時ごろ、新東名高速道路の「長篠設楽原パーキングエリア」に入ってすぐの場所に止まっていたトラックに別のトラックが追突し、追突したトラックの運転手が死亡しました。
警察によりますと止まっていたトラックの運転手はパーキングエリアがいっぱいで止められず、入り口付近に止めたと話したということです。
NEXCOが行った実態調査の結果、いずれのパーキングエリアも日ごろから事故が起きたのと同じ時間は満車状態になっており、“0時待ち”が背景にあった可能性があるということです。
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