レッドブル・ホンダはマックス・フェルスタッペンが今季初となるポールポジションを獲得した。

Q1では計測1周目にステアリングを切った際に脚との間に手が挟まってあわやクラッシュという場面があった。Q2でも1回目で十分なタイムが刻めなかったため2セット目のミディアムタイヤを使うことになるなど、メルセデスAMG勢に対して後れを取った。しかしQ3の最後に完璧なアタックを決めて0・025秒差でメルセデスAMG勢を下した。

「Q1では手がステアリングホイールに引っかかってしまってもう1周アタックしなければならなかったし、Q2のミディアムでのアタックもちょっとトリッキーだったがなんとかアタックを決めることができた。ここは最終セクターがコーナーが多く次々とコーナーが迫ってきて、シンガポールのような感じでミスを犯しやすくて1周をまとめるのが難しい。接戦になるとは思ったけど、予選序盤は少し苦労したし、流れを変えることができたのはQ3になってからだね」(フェルスタッペン)

昨年は2回のポールポジションを獲得したが、今季はここまでゼロ。車体の改良を少しずつ進め、パワーユニットもレギュレーションでハードウエアの改良は凍結されたものの、使い方の面に集中して性能向上を果たしてきたとホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは語る。

「去年の場合は暑いコンディションであったり標高が高い場所であったりということでアドバンテージがあったかなと思います。それも含めてパッケージでもあるが、今年はメルセデスAMGも痛い目を見て当然暑さ対策はしてきているでしょうし、高地もありませんし、そんな中で勝てない状況でここまで来ました。チームの車体も我々のパワーユニットの使い方も、パフォーマンスの向上を目指して日々努力をして開発を続けてきました。ICE(内燃エンジン)やERS(エネルギー回生システム)の設定を含めてできることをやる、今までここが不得意だったけどハードウエアが変えられない中で何ができるのかということを追究してきました。それがかたちになったかなと思います。車体メーカーとしてもパワーユニットメーカーとしても、予選でポールを獲得するというのは最速の証明ですから非常にうれしく思っています」

金曜フリー走行では各チームとも十分なロングラン走行ができていないが、今週のレッドブル・ホンダはダウンフォースをあまり大きく付けてはおらず最高速が伸びるだけに、決勝では予選2位、3位のメルセデスAMG勢を抑え込んで今季2勝目を目指すとフェルスタッペンは語る。

「FP2では(赤旗の影響で)みんなあまり走り込めていないと思うけど、レース本番でどうなるかだね。メルセデスAMG勢は速いと思うけど、僕らとしては彼らを後ろに抑え込むために全力を尽くす。今週の僕らは最高速も悪くなさそうだから、バルテリとルイスとも接戦になるだろうが、いいバトルになるといいね」

(米家峰起通信員)