第9回のテーマは、アプローチの基本です。意外と正しい打ち方を知らないアベレージゴルファーが多いだけに、この機会にぜひ覚えましょう。藤田寛之プロによれば、インパクトでもハンドファーストの形をキープすることが大切だと言います。ミス日本ミススポーツの田中絵梨果さんが指導を受けました。進行役をレッスンプロのジミー常住氏が務めます。
常住 いよいよグリーン周りにやってきました。今回は確実にピンに寄せるアプローチを教えてもらいたいと思います。まずは、田中さんにアプローチショットに挑戦してもらいましょう。
田中 初めてアプローチウエッジを使いますが、頑張ってみます!
※小さな振り幅でボールをとらえると、まずまずのところでボールが止まるナイスアプローチ!
藤田 今のアプローチは良かったと思います。スイングスピードがインパクトまで緩まなかったことが成功の要因です。ここで改めてアプローチの基本的な打ち方を確認してみましょう。まず、ボールをスタンスンの真ん中から右足爪先の前までの間に置きます。両手を左足太腿の前にセットするので、両手がボールよりも目標寄りにくるハンドファーストの形になります。この時体重はほぼ左足に乗っています。極端な話、右足は爪先で立つことができるほどです。この形をインパクトで再現するようにスイングしましょう。
田中 スイング中の注意点はありますか?
藤田 できるだけ両手を使わないことです。手だけでクラブを上げて下ろすとアドレスの位置にクラブヘッドが戻りにくいので気をつけて下さい。体を右に向けることでクラブを上げたら、左に向ける動きでクラブを下ろしてくるイメージです。どうしても手打ちになる人は、前回と同じように、両脇にタオルやヘッドカバーを挟んでみましょう。
常住 アベレージゴルファーでもダフリやトップといったミスをすることが少なくありません。その原因はどこにあるのでしょうか。
藤田 せっかくアドレスでハンドファーストの形をつくったのに、それを崩してしまうからです。ボールを上げる意識があるのかもしれませんが、ダフリやトップといったミスをする人は、インパクトで両手がヘッドよりも後方にあるハンドレートの形になっています。インパクトでは、アドレスのときよりもさらにハンドファーストの度合いが大きくなるように心がけましょう。ボールをフェース面でとらえやすくなるので、ダフリやトップといったミスは防げます。
常住 ハンドファーストの度合いが大きくなると、ボールが飛び過ぎてしまいませんか?
藤田 そんなことはありません。振り幅をよほど大きくしない限り、自分のイメージ通りのキャリーが出ますし、ボールにスピンがかかるので、それほど転がりません。そのことを理解していないから、ボールを上げようとしたり、インパクトでスイングスピードを緩めてしまうのです。これは信じてもらうしかありませんが、ハンドファーストの度合いを強くしたほうがボールにスピンはかかるんですよ。
(取材協力=静岡・葛城ゴルフ倶楽部)
◆藤田 寛之(ふじた・ひろゆき) 1969年(昭44)6月16日生まれの51歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。
◆田中 絵梨果(たなか・えりか) 1997年(平9)11月30日生まれ、神戸市出身の22歳。1月のミス日本コンテストで「ミス日本ミススポーツ」に輝く。特技は英語(英検1級)、サッカー、ドラゴンボート。1メートル72。
◆ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ) 1981年(昭56)12月15日生まれの38歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。
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November 27, 2020 at 10:00AM
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