新型コロナウイルスの影響で中断していたスポーツ振興くじ(サッカーくじ、toto)の販売が、約3カ月ぶりに再開された。くじの売り上げは若手有望選手の発掘・育成や地域のスポーツ施設整備、総合型スポーツクラブの活動支援まで多岐にわたるスポーツ助成の財源となっている。今年度の売り上げは東京五輪・パラリンピックイヤーの来年度の助成配分に直結する。既に競技団体などは主催大会の中止・延期でスポンサー収入急減の不安にさらされていて、totoの行方にも気をもんでいる。

totoはJリーグより先に再開したドイツリーグを対象に販売を再開した=ゲッティ共同
totoは5月から再開したサッカーのドイツリーグの試合を対象に、5月23~29日に発売された。最高当せん金が1等6億円の「ビッグ」など全7種類の総売上額は約13億2800万円。売り上げは前回(販売期間2月29日~3月7日)に比べて29%減ったが、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)担当者は「今回は数字よりも、まず販売を再開できたことが一番」と強調する。
「スポーツ財源の確保に向け――」。JSCは販売再開を発表した5月20日の報道用リリースで、タイトルにこう記した。totoにとって最大のパートナーといえばJリーグに他ならない。その再開(J1は7月4日)を待たず、ドイツリーグを対象に販売再開に一足先に踏み切ったのは「少しでも早く販売を再開し、スポーツ振興の財源を確保するため」(JSCのtoto担当者)だ。
売り上げから当せん払戻金、経費などを差し引いた収益のうち、4分の3がスポーツ振興助成に充てられる(4分の1は国庫納付)。2019年度の売り上げは938億円。2年ぶりに1000億円の大台が見えていたが、コロナ禍でJリーグなどが軒並み中止となり、発売も約3カ月間ストップした影響で直近7年間で最も低い数字にとどまった。
この売り上げを原資とする今年度のスポーツ振興助成額は約166億7300万円。例えば、将来有望な若い選手の発掘や育成に約18億2800万円、グラウンドの芝生化など地域のスポーツ施設整備に約57億2600万円が配分される。それでも今夏の東京五輪・パラリンピック開催を想定し、昨年は300億円近い助成額が確保されていたのに比べるとほぼ半減だ。例年は秋に実施される2次配分も、今年度は行わない方針という。

スポーツ界にもtotoの販売減に不安の声が広がっている。例えばアンチ・ドーピングでは、検査活動や分析機関の機材調達に約12億6000万円の助成がついている。事業費の助成割合は9割と高い。日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の浅川伸専務理事は「来年は東京大会を控えて大会や合宿での検査も増える。財源が足りないと大変なことになる」と危惧する。
小学生年代からの選手発掘に力を入れ、関連の活動で今年度は約6000万円の助成がついた日本卓球協会の星野一朗専務理事も「大変心配している」と話す。日本オリンピック委員会(JOC)副会長も務める日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「東京五輪が1年延びて(追加の)予算をどう確保するのかというときに、スポーツ界がtoto財源に頼らざるを得ない部分は大きい」と指摘する。
JSCは4月初め、今年度のtotoの売り上げ目標を970億円と公表した。だが、この時点の見立てからJリーグ再開も後ろにずれ込んでおり、目標達成は簡単ではなさそうだ。JSCは2月に新商品として投入しながら、すぐに販売中断を余儀なくされた最高当せん金1等12億円の「メガビッグ」に期待を寄せる。その行方は、コロナ不安に覆われているスポーツ界の将来も左右する。
(山口大介)
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June 09, 2020 at 01:00AM
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新型コロナ:サッカーくじ再開も販売減 助成は…スポーツ界不安 - 日本経済新聞
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