Search

「競争相手を忘れろ。常にパーに向かってプレーしろ」――サム・スニード|ゴルフは名言でうまくなる|岡上貞夫 - gentosha.jp

ゴルフは人間を相手に闘うものではない

サム・スニードの持つPGAツアー最多優勝記録82勝は長い間更新されていないが、2019年、タイガー・ウッズが日本で開催されたZOZOチャンピオンシップを制し、これに並んだ。

タイガーがいつ記録を更新するか注目の的だが、新型コロナウイルスの影響でPGAツアーも延期や中止が相次ぎ、気を揉んでいるファンも多いことだろう。

スニードは1912年の生まれだ。ゴルフ界にとって当たり年で、ベン・ホーガンとバイロン・ネルソンも同じ年に生まれている。

PGAツアーの最年長記録では、いまだにスニードに追いつく者はいない。

●PGAツアー最年長優勝(52歳10か月8日)……グレーター・グリーンズボロ・オープン(1965年)

●PGAツアー最年長予選通過(67歳2か月21日)……マニュファクチャラーズ・ハノーバー・ウェストチェスター・クラシック(1979年)

これは、スニードのスウィングがいかに合理的で無理のない、いいスウィングだったかを物語っている。

「歳をとったら、いいスウィングしか役に立たない。打ちにいってはいけない。しっかり大きく振り抜くだけ」という名言も残しているが、「ナチュラル・スウィンガー」「ボーン・スウィンガー」と呼ばれたスニードの美しいスウィングは、まさに「いいスウィング」だった。

スニードよりも前に、表題の言葉と同じことを言ったのは球聖ボビー・ジョーンズだ。

「ゴルフは人間を相手に闘うものではない。相手はオールドマン・パーで、パーを目標に闘うものである」

ボビー・ジョーンズは文章の能力にも優れていたが、パーを擬人化したこの名言にもそれが表れている。

これは想像だが、スニードはジョーンズにあこがれてゴルフを始め、「誰もがうらやむ美しいスウィング」と言われたジョーンズと同じような美しいスウィングを目指したのだろう。

そして、ゴルフのプレーに対する考え方もジョーンズに追随したことで、表題の名言を残したのではないかと思う。

同伴プレーヤーのスコアは記録しなくていい

「パーに向かってプレー」するといっても、「アベレージゴルファーにとって、パーはそう簡単に取れるものではないじゃないか」という声が聞こえそうだ。

でも大丈夫、ゴルフにはハンディがある。一般のゴルファーは、ハンディを引いてパーになるスコアを相手にすればいいのだ。

スコアカードにはホール・ハンディキャップが示されている。これはホールごとの難易度を表すもので、1番がもっとも難しく、18番がもっとも易しくパーが取れるということだ。

たとえばハンディ15のプレーヤーは、ホール・ハンディキャップの16~18番の3ホールはパー、その他のホールはボギーを相手に闘えばよいのである。

このように設定した目標スコアをマイ・パーと呼んだりするので、スニードの名言も「競争相手を忘れろ。常にマイ・パーに向かってプレーしろ」と読みかえればいい。

ほとんどパーを取れないアベレージゴルファーがパーを相手にしてしまうと、すぐにオーバー・パーが増えていってしまう。

しかし、マイ・パーで考えれば、うまくいけばアンダー・パーが先行するかもしれないし、オーバー・パーが先行しても「まだ取り返せる」と思えるだろう。このほうがプレーを進めていくうえで張り合いがあるに違いない。

スタート前にスコアカードのパーをマイ・パーに書き直し、それに対するプラスマイナスを記入していくのもひとつの方法だ。その場合は、同伴プレーヤーのスコアは記録しなくてもいいのではないだろうか。

スニードの名言、「競争相手を忘れろ」を実践するのだ。これで、マイ・パーに向かってプレーすることに集中しやすくなると思う。

正式な競技であれば、マーカーという役目があり、指定された1人のプレーヤーのスコアを正確に記録しなければならない。それでも、記録するのは自分を含めて2人分だけだ。

プライベートコンペなどでスコア提出係に指名された場合は、その組全員のスコアを記録し、それぞれのプレーヤーと最終確認をしてから、集計してくれるマスター室などへ提出することになる。

しかし、スコア提出係ではない場合や、友人たちとの気軽な遊びのラウンドで、他のプレーヤーのスコアを記録する意味はあるのだろうか?

あとからラウンドを振り返ったとき、同伴プレーヤーのプレーぶり、マナーの良し悪し、性格などは記憶に残っているが、スコアはどうか。大概すぐに忘れてしまうだろう。

スコアカードを見直すときも、自分のスコアとプレーを振り返ることはあっても、同伴プレーヤーのスコアなど見ることはないだろう。

それならば、自分以外のプレーヤーのスコアは書かなくても、なんの支障もないのではないだろうか。オナーや打順などはホールアウトしたときのスコア申告を聞けばいいし、同伴プレーヤーのプレーをちゃんと見ていれば、おおよそわかる。

自分のスコアをつけるだけなら、他のプレーヤーにスコアを聞いて確かめる必要もなく、サッと書き終えてすぐに次のティーショットの準備に入れる。全員が実践すればかなりの時短となり、スピーディなプレーにもなるだろう。

スコアカードから自分の弱点が見えてくる

スコアカードには、スコアを記録する以外にもいろいろと活用法がある。自分のスコアだけ書くなら、残り3人分のスコア欄が余白になる。ここに、自分の反省材料を検討するための記録を残せるのだ。

ティーショットでどんなクラブを使ったか、フェアウェイをキープしたか、左右のどちらに外したか、林・池・OB・バンカーに入れたかなどを記録しておくと、ティーショットの傾向を分析できる。

Par3で何番のクラブを使ったか、ワンオンしたか、グリーンのどちら側へ外したかを同じように記録しておくと、Par3でのミスの傾向を知ることができる。

また、オーバー・パーとなったホールでは、何をミスしたことでボギーやダブルボギーになったのかを記録するといい。

ミスしたのがドライバーなのか、セカンドショットなのか、アプローチなのか、パットなのか、自分にわかる記号で記録しておくのだ。

たとえば、ドライバーを林やハザードに入れてしまったら「D×」、ボギーやダブルボギーになった場合、アイアンのミスは「I×」、アプローチミスは「A×」、ロングパットのミスは「LP×」、ショートパットのミスは「SP×」……といった具合だ。

余白となったスコア欄はパット数の欄も含めて6つのマスがあるから、ドライバーのマス、FWのマス、アイアンのマス、アプローチのマス、ロングパットのマス、ショートパットのマスと決めておいて、〇×を記録してもいい。

これをあとで集計し、集積していくと、自分のゴルフの弱点が見えてくるはずだ。当然、ミスの数が多いものが改善すべき分野となる。まずはもっとも数の多いミスから減らすように練習し、それが克服できたら、次は2番目に多いミスの改善を目指すといい。

スコアカードは、単にスコアとパット数をつけるだけではもったいない。

自分のゴルフをあとで分析できるように、スタッツの材料を記録し、参考にすれば、スコア向上に大いに役立つはずだ。

同伴プレーヤーのプレーはよく見ておくべきだし、「競争相手を忘れろ」とはいえ、まったく無視しろと言うつもりもない。

しかし、同伴プレーヤーのスコアを記録しないことでできた時間の余裕を、自分のゴルフ向上に向けてみることも、一考の価値があるとは思えないだろうか。

今回のまとめ

1.    スコアカードのパーに自分のハンディを加えたマイ・パーを書いてプレーすると、最後まで張り合いのあるプレーができる

2. 他のプレーヤーのスコアを記録しないようにすると、時間に余裕ができ、スピーディなプレーができるとともに、自分のプレーに集中しやすい

3. スコアカードにできた余白を自分のスタッツ分析のための記録に使えば、スコア向上に役立つ

*   *   *

幻冬舎plusの人気連載「ゴルフは名言でうまくなる」が本になりました!

Let's block ads! (Why?)



"競争" - Google ニュース
April 19, 2020 at 04:05AM
https://ift.tt/3bqx6mo

「競争相手を忘れろ。常にパーに向かってプレーしろ」――サム・スニード|ゴルフは名言でうまくなる|岡上貞夫 - gentosha.jp
"競争" - Google ニュース
https://ift.tt/3a4O6xX
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini

0 Response to "「競争相手を忘れろ。常にパーに向かってプレーしろ」――サム・スニード|ゴルフは名言でうまくなる|岡上貞夫 - gentosha.jp"

Post a Comment

Powered by Blogger.