任期満了に伴う兵庫県高砂市長選の投開票日(4月5日)が迫る。現職の引退表明で12年ぶりに新しいリーダーが選ばれるが、人口減少など取り巻く状況は厳しい。直面する課題と未来への展望を探った。(若林幹夫)
「ブライダル都市・高砂」のキャッチフレーズを掲げた広告塔が、兵庫県高砂市総合運動公園(米田町島)や姫路市近くの県道沿いなど高砂市内5カ所に立つ。塔の上には緑色とピンク色を組み合わせた楕円形のシンボルマークが飾られている。
設置されてから四半世紀を過ぎたが、「『ブライダルって市は何をしているの?』と聞かれても、答えられない」。同市で酒店を営む川西千秋さん(69)がこぼした。
「ブライダル都市」は1987年に高砂青年会議所(JC)が発案。川西さんは当時、同JCで役員を務め、企画を先導した。結婚式で謡われる謡曲「高砂」発祥の地にちなみ、「高砂=結婚」のイメージを印象付け、「結婚をキーワードに人や地域をつなぎ合わせるまちづくりにつなげたかった」。
シンポジウムを開き、ブライダル衣装のファッションショーも企画。当時の企画書には「若者にアピールしたい」「外国人観光客も引き付けたい」といった、現在の人口減対策に通じる文言が並ぶ。翌年には市が同都市宣言を行い、各国の祝いの食卓展示なども催された。
話題を集めた取り組みだったが、複数のカップルが参加する「高砂式結婚式」が財政難から2001年で終了。その後の活動は途切れ、近年は市の予算にも関連事業は見当たらない。
地域ブランドを確立し、住民が愛着と誇りを持ち、外からも人を引き付ける。人口減少時代に突入し、各市町が取り組む都市戦略だ。近隣では、明石市が子育てに優しいイメージをアピールし、加古川市は情報通信技術(ICT)をまちづくりに活用する「スマートシティー」を掲げ始めた。
高砂市は人口減少が続き、大半が近隣地域に流れる状況が続く。脱却するための戦略をどう打ち出すのか。川西さんは指摘する。「石の宝殿や秋祭りなど他にもいろんな素材があるが、当たり前すぎてなかなか価値が分からない。もっと自由に発想してほしい」
ブライダル都市の理念は2016年になって、観光やイベント開催に携わる7団体を集約した「市観光交流ビューロー」に引き継がれた。昨年5月には「結びん」と銘打った観光拠点が同市高砂町今津町の古民家にオープン。「結びのまち」をテーマにした情報発信の成果が再び試される。
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2月下旬、行政以外でも素材の発掘、発信に取り組む新たなイベントが開かれた。古民家や歴史的な建物が残る高砂市高砂町かいわいに、学生から行政職員、年金暮らしの高齢者ら約30人が集まった「たかさごでオープンデータソン!」。
まち歩きして調べた情報を、インターネット上で自由に編集できる百科事典「ウィキペディア」と地図「オープンストリートマップ」に書き込むことが目的だ。観光ボランティアガイドから、復元された江戸時代の学問書「申義堂」の案内を受けると、その日のうちにウィキペディアに写真と合わせて紹介された。
企画したのは、IT技術で地域課題の解決を目指す「コード・フォー・ハリマ」。メンバーの一人で市職員の石本玲子さん(43)は「実際に見て感じたからこそ、生きた情報として伝えられる」。手応えとともに、果たすべき行政の役割を感じた。「行政が主導しなくてもいい。能力を持った人の力を引き出し、活動を後押しできるようにしたい」
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【私はこう思う】 いろんな人が関われば 高砂南高校1年女子生徒(15)=高砂市
高砂ブランドと聞いて思い浮かぶのは、松右衛門帆や高砂染、アナゴ…。豊富にあるけど、地元でも知らない人がいる。ブライダル都市も言っているだけ。世代や地域を超えて、いろんな人が関わりを持つ機会をもっと増やせば、深く知られるようになると思う。
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March 14, 2020 at 03:30AM
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