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創業10年でアリババ集団や騰訊控股(テンセント)に次ぐ中国IT(情報技術)業界で時価総額3位に上り詰めた美団点評。飲食を起点に、移動、ホテル、娯楽などをカバーする、生活総合プラットフォームを構築した。美団が次に狙うのは、開発投資を続ける情報システムを武器に、企業(供給側)へのサービス対象を「より上流に拡大」していくことだろう。
(写真:アフロ)
これまで見てきたように美団はフードデリバリー「美団外売」とレストラン予約・評価サイト「大衆点評」の運営で、消費者と飲食店とを結ぶ強固なチェーンを作った。飲食店の経営管理システムや、位置情報アルゴリズムにより、需要予測や客層の分析が可能になった。これにより、飲食店の課題だった「安定した仕入れ」の実現に向けた取り組みを強化するだろう。
打ち手として、農家など食材の産地までサプライチェーンを広げると筆者はみる。需要予測力と配送力を生かして品質の良い食材を安定的に確保して飲食店に供給するのだ。農家などの原産地にとっても、美団の調達規模や効率の良い配送能力は魅力だろう。「食の安全」を求める消費者のメリットにもなり、美団の生活総合プラットフォームの価値を高めることにつながる。
このためには、飲食店の経営を強化し、もうけてもらうことが重要になる。飲食店が中継する形で、消費者と食材の産地をつなげるためだ。美団は飲食店の仕入れ、顧客獲得、オーダー・支払いなど、コア業務の効率化や経営管理を支援するためのIT開発に投資をしている。資金繰りの課題に対しても小口や短期の融資サービスを提供。19年10月には「美団大学」を設⽴して飲食店の人材育成支援にも取り組み始めた。
飲食の原産地までサプライチェーンを広げるのが「垂直統合戦略」だとすると、飲食を起点にサービス領域を拡大する「水平展開」のカギを握るのが位置情報アルゴリズムを中核とする情報システムだ。
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April 01, 2020 at 03:10AM
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