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楽天モバイルの家族割引は実際安いのか? UQ、ワイモバと比較 - 日経クロストレンド

楽天モバイルが、家族でスマホを利用すると得になるサービス、いわゆる「家族割引」を新たに開始した。そこで、家族割引を既に導入しており、特にコストパフォーマンス重視で選ぶ場合に楽天モバイルと競合するUQモバイル及びワイモバイルとの比較を交えながら、お得度や注意点について解説しよう。

楽天モバイルの家族割引の実力をチェック(イラスト/ぴーや)

楽天モバイルの家族割引の実力をチェック(イラスト/ぴーや)

【楽天モバイル】最強家族プログラム

 楽天モバイルが2024年2月に始めた「最強家族プログラム」では、スマホの「Rakuten最強プラン」を契約する家族全員にそれぞれ月110円(税込み、以下同)の割引が適用される。適用後の月額は、月間データ使用量が3GBまでが968円、3GB超~20GBが2068円、20GBを超えるとデータ無制限で3168円となる。

 3GBまでの月968円は、ソフトバンクのオンライン専用ブランドである「LINEMO」の3GB・月990円(ミニプラン)や、KDDIの「povo2.0」で選べるデータオプションの3GB・30日間・990円を下回り、大手キャリアの料金プランの中では最安水準だ。

月3168円でデータ無制限で利用可能。3GBまでなら月1000円を切る

月3168円でデータ無制限で利用可能。3GBまでなら月1000円を切る

 最強家族プログラムの適用条件は緩めで、Rakuten最強プランを契約する家族同士が同じ姓(名字)であれば、同じグループに参加して全員が割引を受けられる。離れて住む家族でも、姓が同じなら家族割引の恩恵にあずかれる。グループにできる家族の人数は最大20回線と十分だ。

 例えば家族3人で契約し、全員の月間データ使用量が3GBに収まれば、支払月額は合計2904円となる。全員が3GB超~20GBなら合計6204円だ。

 ちなみに姓が異なる場合は、同じ住所に住む家族でも適用の対象外となる。楽天モバイルでは、「今後、お客様のニーズに合わせ、法律上の結婚のみならず、事実婚や同性パートナーなど、幅広い家族の形態でも本プログラムをご利用いただけるようアップデートを検討してまいります」としており、今後の適用範囲の拡大に期待したい。

 ではここから、他社で家族割引サービスを適用した場合とコストを比較していこう。

【UQモバイル】家族セット割

 UQモバイル(KDDI)で現在、家族割引の「家族セット割」を受けられる対象プランは、「トクトクプラン」(データ容量:月15GB)と「ミニミニプラン」(同:月4GB)の2つだ。対象の家族全員それぞれ月550円が割引される。家族割引適用後の各プランの支払月額は以下の通り。なお、「au PAY カードお支払い割」による月187円引きを適用するものとする。

●トクトクプラン
月間データ使用量1GBまで……1540円
同1GB超~15GB…… 2728円

●ミニミニプラン
月間データ使用量4GBまで……1628円

対象プランを利用する家族は全員が月550円引きになる。家族割引適用対象外の「コミコミプラン」「くりこしプラン +5G」も家族人数のカウント対象にはなる

対象プランを利用する家族は全員が月550円引きになる。家族割引適用対象外の「コミコミプラン」「くりこしプラン +5G」も家族人数のカウント対象にはなる

 トクトクプランの1GBまでの月1540円は割高感がある。1GB超~15GBの場合も、楽天モバイルの3GB超~20GBの2068円より高い。1人当たり月2728円なので、家族3人の場合の支払月額は合計8184円だ。

 月4GBまでのミニミニプランも、楽天モバイルの3GBまでの月968円と比べると、ギガ数では1GB上回るが、月660円高いためコスパでは劣る印象。家族3人の合計は4884円となる。ただし、UQモバイルは余ったデータ容量の翌月繰り越しに対応するのが特徴。基本的には月4GBまでに収まるが、多少超える月もたまにあるといった場合でも同じ月額で利用できるのはいい点だ。

 家族割引の適用条件は「同一住所に住む家族」とされているが、現在は終了時期未定のキャンペーンにより、別住所の家族も対象となっている。姓が違う場合でも適用可能だ。住所が異なる場合は、UQスポットなど店頭での手続き及び家族関係証明書が必要となる。

 家族割引の適用は10回線まで。また、対象のインターネットサービスまたはauでんき(電気サービス)とセットで割引が受けられる「自宅セット割」と家族割引の重複適用は不可となっている(自宅セット割が優先される)。

ワイモバイルは2回線目以降の家族に割引を適用

【ワイモバイル】家族割引サービス

 ワイモバイルで現在、「家族割引サービス」の対象スマホ料金プランで新規契約できるのは「シンプル2 S」(データ容量:月4GB)、「シンプル2 M」(同:月20GB)、「シンプル2 L」(同:月30GB)の3種類。家族割引の適用により、「2回線目以降」が月1100円引きとなる。他社と比較する際は、1回線目が割引されない点に注意が要る。

 家族割引適用後の支払月額は以下の通り。なお、「PayPayカード割」による月187円引きを適用するものとする。

●シンプル2 S
月間データ使用量4GBまで……1回線目2178円、2回線目以降1078円

●シンプル2 M
月間データ使用量20GBまで……1回線目3828円、2回線目以降2728円

●シンプル2 L
月間データ使用量30GBまで……1回線目4928円、2回線目以降3828円

2回線目以降に割引が適用される。1回線目、2回線目以降とも、以前にあった料金プランやモバイルWi-Fi用プランなども一部対象となる(割引額はプランにより異なる)

2回線目以降に割引が適用される。1回線目、2回線目以降とも、以前にあった料金プランやモバイルWi-Fi用プランなども一部対象となる(割引額はプランにより異なる)

 シンプル2 Sを家族2人で契約した場合は1回線当たり平均1628円(2回線の合計3256円)、家族3人では同約1445円(3回線の合計4334円)となる。同じ月4GBのUQモバイル・ミニミニプランと比べると、2回線では同額だが、3回線以上になるとワイモバイルの方がコスパで上回る。

 ワイモバイルも余ったデータ容量の翌月繰り越しに対応しているので、3回線以上ならUQモバイルより優位だ。ただし、データ使用が月3GBで十分であれば、やはり月968円/人の楽天モバイルに分がある。

 月20GBのシンプル2 Mでは、2回線目以降が2728円になる。割引適用後でUQモバイル・トクトクプランの15GB・2728円と同額なので、データ使用が月15GBで足りるようなら、1回線目から割引が適用されるUQモバイルの方がベターだろう。ただし、楽天モバイルは月20GBまで2068円で使えるため、このデータ容量帯でも家族利用でやはり最安の選択肢となる。

 ちなみに、家族割引は適用されないがもともと安価な大手キャリアのオンライン専用ブランドも、この容量帯ではコスパが高いとされる。NTTドコモの「ahamo」は月20GBで2970円、LINEMOのスマホプランは月20GBで2728円、povo2.0は20GB・30日間のデータオプションが2700円だ。これらと比べても、楽天モバイルの優位性は変わらない。

 ワイモバイルで、さらに1段上の容量帯となる月30GBのシンプル2 Lは、2回線目以降でも3828円と、楽天モバイルの月20GB超(無制限)の3168円より高い。家族3人の場合、支払月額はワイモバイルが合計1万2584円、楽天モバイルが合計9504円と、3000円以上の差が生じる。

 ワイモバイルにおける家族割引の適用条件は、家族(血縁・婚姻)もしくは同住所であること。別姓でも適用可能だ。手続きには、家族確認書類(血縁・婚姻または同住所であることが確認できる書類)が必要となる。

 家族割引の対象は9回線まで。また、「SoftBank Air」または「SoftBank 光」とセットで割引が受けられる「おうち割 光セット(A)」と家族割引の重複適用はできない(おうち割が優先される)。

 以上をまとめると、楽天モバイルの家族割引は1人当たり月110円引きと割引額こそ小さいが、UQモバイルとワイモバイルの家族割引、またオンライン専用ブランドと比べて、ほぼすべてのテータ容量帯で最安水準となる。

 UQモバイルとワイモバイルは、オンライン専用ブランドより高いが、手厚い店舗サポートがある点が強みになるだろう。家族にサポートが必要なスマホ初心者やシニア世代などがいる場合には検討に値する。楽天モバイルでも店舗サポートは受けられるが、UQモバイル、ワイモバイルと比べると店舗数がまだ少ないのが心許ない。

 また、家族割引と聞いてNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクで実施される家族間通話無料サービスを連想する人もいるかもしれないが、今回取り上げた楽天モバイル、UQモバイル、ワイモバイルの家族割引対象プランは、どれも家族間通話に対する優遇サービスはない。家族間での通話が多いようなら、専用アプリの利用で誰とでも通話無料の楽天モバイルか、国内通話の5分以内無料が付帯するahamoが有力候補になるだろう。

 今回は、楽天モバイルの最強家族プログラムを中心に家族割引サービスについて解説した。楽天モバイルは通信の安定感ではまだ不安な面はあるものの、コスト面にフォーカスすれば、家族で乗り換えたときの節約効果は絶大だ。ぜひ、スマホ料金の見直しの参考にしてほしい。

注)情報は2024年3月上旬時点。サービス内容は今後変更される可能性がある。

(画像は各サービスのサイトから)


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