スポーツにおいて、使える筋肉を筋トレで鍛えることは大切です。
日本では「筋トレ=筋肥大」という意識がとても強く、筋肥大のトレーニングをメインにたくさんやっているスポーツ選手も多くいらっしゃいます。
しかし、それに疑問を感じて、「筋肥大したら体が重くなる」「筋トレはスポーツに必要ない」とおっしゃる方もいます。
当たり前のことですが、筋肉を大きくしてもスポーツの動きが良くなるとは限りません。
それなら、筋肥大以外の効果のある筋トレをメインに行ったほうが、スポーツのための使える筋肉を作りやすくなると言えます。
今回は、中学生から70代のスポーツ選手(プロ・一般人含む)に指導してきた経験の中で、実例をもとに「使える筋肉」の鍛え方のコツをお伝えしたいと思います。
①使えない筋肉とは
スポーツで使える筋肉のイメージは
・足が速くなる
・ジャンプ力が高まる
・ゴルフや野球のスイングが速くなる
といった感じで、これは皆さん想像がつくと思います。
逆に「使えない筋肉」というのは
・動きが遅い筋肉
・硬い筋肉
・ただ大きいだけの筋肉
などのワードが思い浮かぶかと思います。
これは筋トレを行うときに、
・ゆっくりと筋肉に効かせて
・可動域を狭めて
・筋肉量を増やす
という意識で筋トレを行っているイメージです。
基本的に日本では「筋トレはスポーツには繋がらないから、補助程度で行う」という風潮が強いと感じます。
筋トレ=筋肥大という考え方ですね。
では、筋肥大以外の効果は筋トレにはないのでしょうか?
筋トレはゆっくり動かさないと効果が現れないのでしょうか?
そんなことはありません。
筋トレを行うことでスポーツのパフォーマンスが高まった方の実例と筋トレのメニューを織り交ぜながら、ご説明したいと思います。
②バスケ選手の場合
30代のあるバスケ選手の方は、今までパーソナルトレーニングを受けていましたが、バスケのジャンプ力を高めることができませんでした。
トレーニング内容を伺ってみると、
・スクワットの際にお尻を後方に大きく突き出して、踵重心のローバースクワット
・10回×数セット
・TRXなどを使用しての色々な体勢でのトレーニング
などのような内容でした。
内容をお聞きして私が気付いたことは、
・筋肥大のトレーニングしかしていない
・筋肉だけに意識をしていて、動作が鍛えられていない
ということ。
そのため、初回のトレーニングの時からそれらを補うトレーニングをどんどん組み込みました。それが以下です。
・地面を足裏全体でバランスよく、力強く押す圧を鍛えるため(極端に踵の端っこ重心にならない)。
・ローバースクワットばかりで動きの小さかった股関節を全体的に動けるようにするため(ローバースクワットより深くしゃがむため)。
●スピードスクワットを取り入れる(マックスの50~60%程度の重量×3回×3~5セット程度)
・筋肥大のトレーニングで鍛えられていなかったスピードを鍛えるため(重めのスピードストレングス)。
・「素早く、力強く立ち上がるという動作」を鍛えるため→地面を押す力や体幹の安定力を高めるため。
・トレーニングバンドをバーベルに装着して、立ち上がる際の加速力も高めた。
●毎回異なる動作の補助種目を組み込む
・ポーズスクワット(しゃがんだ状態で1度止まって、スピードを0にしてから素早く立ち上がるスクワット)
・ボックススクワット(椅子に一度座って、スピードが0&筋肉がある程度リラックスした状態から立ち上がるスクワット)
・フロントスクワット(より体幹が立った状態&足幅が狭い状態&より深くしゃがんで股関節と膝関節をたくさん動かすスクワット)
ジャンプに必要な様々なスピードや動作を鍛える週1回のトレーニングで
〇ジャンプ力が10cmアップ
〇スクワットやデッドリフトの記録も約半年で大幅に更新(スクワット90㎏×6回→125㎏×1回)
〇その後始めたデッドリフトも停滞せず2か月間記録が伸び続ける(80㎏×5回→137.5㎏×1回)
というように変化をしていただいています。
いわゆる一流の方は、筋トレの動作スピードがとても速いです。
↑ボディビルダー トム・プラッツ選手のスクワットや
↑パワーリフター ダン・グリーン選手のデッドリフト
↑NFL(アメフト)選手 ロニー・ブラウン選手のスクワット
もちろん、スピードを速くするトレーニングだけをしていても停滞します。
そこで、今どのような効果を高める筋トレが必要か、見極める能力がトレーナーには必要となるわけです。
③ゴルファーの場合
40代の週末ゴルファーの方は、筋トレを初めて行う方で、趣味のゴルフの飛距離を伸ばしたいというご要望でした。
・股関節の柔軟性が低め
・肩関節や肩甲骨周りの柔軟性が低め
・ゴルフ以外の運動はしていない状況
という現状でした。
そのため、まずはトレーニングの効果を現れやすくする身体作りの時間を多めに設けました。
●動的ストレッチ・コンディショニングエクササイズを多く行う
・色々な方向に体を動かし、動いていなかった筋肉や関節を動かしやすくするため
・力の入りやすい状態にしてから筋トレを行うため
●ゴブレットスクワットをプレート(負荷をかけて)を持って行う
・バーベルスクワットを行うための準備として(フルスクワットを行うための股関節の柔軟性&体幹の筋力の土台を作るため)
・足幅を腰幅程度の狭めで行うことで、股関節の開きを大きくし股関節をたくさん動かす意識を高めていただくため
●バーベルスクワットが40㎏×10回できるようになったらトレーニングバンドを付けて負荷をかける(3回×3~5セット)
・筋肉のスピードを高めてゴルフに活きる機能を速い段階から鍛えるため
・速く立ち上がる意識をすることで、地面を押す力と体幹の安定力も同時に鍛えるため
●ベンチプレスのマックスの向上のセットとスピードベンチプレスのセットを組み込む
・ベンチプレスの重量が向上すると飛距離が伸びやすいという研究があるため(ヘッドスピードを高められるため)
・スピードを高めることでスイングスピードを高めるため
参考:Effect of Different Pushing Speeds on Bench Press (Article in International Journal of Sports Medicine · February 2012)
The Role of Biomechanics in Maximising Distance and Accuracy of Golf Shots( Sports Medicine · February 2005)
2~3カ月で220ヤード→250ヤードくらいまで飛距離が伸びました。
筋肥大のセットは必要な時だけ1~2セット程度行っています。
一流の選手は筋トレでは、重い重量を扱うトレーニングを行う方が多いです↓
「高い目的意識と高強度の筋トレ」 マネージャーが明かすイ・ジョンウン6の絶好調の秘訣
You won’t believe how much Rory McIlroy can bench press
要するに、最大筋力を高める筋トレを行い、その重い重量を上げるためにスピードのある筋肉を鍛えているということです。
ある程度スピードが出ないと、重い重量も上がりませんからね。
まとめ
スポーツのための使える筋肉を作るためには、筋肥大をするためのプログラムだけよりは、ほかの要素を強くするための様々なトレーニングを行ったほうがスポーツに繋がりやすくなります。
そのためには、その方の体力要素の何が足りていないのかを調べてプログラムを作成することが大切です。
料理のもの足りない部分の味付けをするようなイメージですね。
筋トレ=筋肥大ではなく、色々な味付けをできるようになりたいですね。
参考:THE WESTSIDE BARBELL TEMPLATE FOR ATHLETIC DEVELOPMENT Supertraining 6th expanded version Edition
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