3月からの前半戦が中止となっていた女子リーグが開幕し、昨季5位のデンソーが、日本代表川畑瞳内野手(24)の2本の本塁打などで同10位のシオノギ製薬に勝利した。

久しぶりの公式戦に、川畑はエンジン全開だった。「フルスイングを意識していた。感覚はよかった」と、1本目は初回2死から豪快に引っ張り、右越え先制弾。2本目は2-1で迎えた3回には左中間へ2打席連発となる2点本塁打でリードを広げた。中盤は投手戦が続いたが、最終回に4点を取って突き放した。

待ち望んだ開幕に観客からも1プレーごとに拍手が湧き上がった。前半戦が中止となり半年遅れの開幕。「グラウンド内での練習はできなかったので、技術的な感覚的なものを取り戻すのには時間がかかった」と不安があったことを明かした。それでも「本当にソフトボールがしたくてもできなかった人たちの思いも背負ってプレーした」と士気を高め、チームを引っ張った。

観客を入れて行うのは、開幕節と11月からの決勝トーナメントのみとあって、地元の大和市も協力して大会を盛り上げている。また、小田急電鉄とタイアップし「特急ロマンスカー」が大和駅に臨時停車。特急券を見せると記念品がもらえるサービスも行っている。さらに大和市出身歌手の小川恵生(えみ)さんによる国歌斉唱も行われた。今後は無観客での開催となるが川畑は「画面越しで応援してくれたらうれしい」と球場に集まったファンに向けてメッセージを送った。