2020年08月29日08時00分
◇分からない、使わない
少し前、相撲界でこんな話を人づてに聞いた。真偽の追求が目的ではないので固有名詞は伏せる。
ある部屋で師匠が弟子たちに「今夜はみんなで焼き肉に行くぞ」と声を掛けたら、幕内力士の1人が首を横に振った。その日の栄養摂取の予定が狂うからだという。師匠は思わず言った。「お前はアスリートか」
昨今は力士にも、勉強してきめ細かく体調を管理する人が増えてきた。親方には他競技のトップ選手像と重なったようだが、「アスリート」とは誰のことかとなると、明確な定義やくくりはない。
大会での勝利や記録の更新を目指して厳しい鍛錬をしていれば「アスリート」かといえば、レベルにもよる。
だから、「アスリートファースト」のように一体の言葉になっている場合はともかく、まだ自分の中でまとまらない「アスリート」の単語は記事に使わない。それで困ったこともない。
言葉を仕事にする以上、自分が説明できない言葉は使わないよう心掛けたいが、無自覚に使っている場合もある。若い頃「試合運び」がうまいのまずいのと書いていて、ある時、具体的にどういうことかと悩み始めた。
答えの一つらしきものに気づいたのは1988、89年に近鉄担当として見た「仰木野球」だった。詳しく書く字数はないが、はっきり意識して采配を振っていることも仰木彬監督から聞いた。貴重な経験をさせてもらった。
ちなみに野球と言えば、「詰まった打球」とは何が詰まるのか、説明できない記者や野球経験者がどれほど多いことか。
そもそも「スポーツ」とは何だろう。もちろん自分なりに考えてきた。特に相撲担当をしていると、人からよく「相撲はスポーツじゃない」と言われるので、いやでも考える。そう言う人に限って「スポーツ」とは何かと聞き返すと、答えられないものだが。(時事通信社・若林哲治)
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August 29, 2020 at 06:00AM
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「アスリート」は誰のこと 【スポーツの言葉考】(30) - 時事通信ニュース
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