感染が拡大している新型コロナウイルスをめぐり、札幌市は26日、新たに市内のスポーツ教室とコールセンターでクラスター(感染者集団)が発生したと認定した。それぞれ感染者が同日までに7人となった。感染が広がる恐れのある介護施設が1カ所増え、計3カ所となったことも明らかにした。
この日同市内では新たな感染者11人が確認され、うち半数近い5人が感染経路不明。市によると、11人のうち1人は男子高校生で、これまでに感染者が出ているスポーツ教室に参加していた。
市によると、この教室は21日に陽性と判明した札幌市の50代の男性会社役員が主催。市は「屋内において体の接触があり、発声を伴うスポーツ」と説明している。
教室では、これまでに札幌市で男性会社役員ら3人が陽性と判明したほか、小樽市在住の参加者3人も25日に陽性と確認されている。男子高校生を含めた感染者は計7人となった。
男性会社役員は札幌市内で複数の教室を主催しており、感染者が一堂に会した場面はなかった。しかし、市は「同じスポーツ教室で、中心となる人物と感染の核となる人物がいる」として、クラスターと認定。また、市が調査を進めていたコールセンターで感染者が計7人となり、市は新たにクラスターと認定した。
市内のクラスターはこれまで、繁華街すすきの地区のライブバー▽札幌呼吸器科病院(白石区)▽国立病院機構北海道がんセンター(同)▽札幌厚生病院(中央区)-の4つが発生。新たな2つを加えて計6つとなった。
このほか、市内の介護施設に勤務する40代の女性介護士の感染も26日新たに確認された。市は「施設内の感染の広がりが想定される」として、利用者の名簿を基に調査を進めている。
市内では、これまでに2つの介護施設で職員の感染が判明。感染が広がる可能性のある介護施設は3つとなった。
また、給食調理員3人の感染が判明している市立新琴似緑(しんことにみどり)小学校で、新たに給食調理員1人の感染が確認された。ただ、この調理員は持病のため4日から職場を離れており、感染者3人と接触がなかったという。このため、市は市中感染の可能性があるとみている。
札幌市で26日に判明した感染者は11人で、同市で最も多い26人が確認された25日より大幅に減少。しかし、市の担当者は要因として土曜に検査数が減る傾向に加え、院内感染関連の検査がなかったことを挙げ、「予断を許さない状況だ」との認識を示した。
市内で発生した院内感染のうち札幌呼吸器科病院について、市は「収束に向かっている」と判断。札幌厚生病院も「一定の検査を終えた」との見方を示した。北海道がんセンターについては「感染が広がる可能性がある」としている。
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April 27, 2020 at 04:28AM
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