サッカーを含めたアスリートが新型コロナウイルス感染すると重症化するリスクが高いことを、ドイツとイタリアの研究結果が示していると、29日にロイター通信が報じた。

ベルリン、ローマ、ベローナにある研究所に拠点を置くイタリアの免疫学者と肺の専門医による研究では、激しい運動を行うことでウイルスの粒子を吸い込み、肺の下部まで誘導する可能性が高いという。コロナウイルスは肺の損傷などの合併症を引き起こし、重症化する可能性もある。

選手が無症状であった場合も、状態を悪化させる可能性もあるという。プロ選手は高強度で長時間の運動を頻繁に行うため、激しい呼吸による分泌が頻繁に行われる。さらにサッカーでは選手間の距離が守られにくく、ウイルス拡散のリスクはさらに高まり、一般の人よりもはるかに危険な状態にさらされることになるという。肺活量が高い、選手にとっての“理想的な肺”は、ウイルスが肺の深部へ侵入する大きな助けとなってしまうとされている。

研究者たちは「プロフットボール選手の大部分が、試合の直後または数時間後に発熱、倦怠感、場合によっては呼吸困難になったと話している。これは偶然ではない」と述べている。

また国際プロサッカー選手会(FIFPro)の事務局長であるヨナス・ホフマン氏は「サッカーは接触スポーツであり、非常に高い保護基準が必要であると感じている」などと述べている。