Search

新型コロナ>スポーツ経済 冷える春 Jリーグ公式戦延期:スポーツ(TOKYO Web) - 東京新聞

Jリーグのリーグ戦史上最多の観衆で埋まった日産スタジアムのスタンドを背に、優勝を喜ぶ横浜Mイレブン=2019年12月

写真

 新型コロナウイルスの感染拡大が、国内スポーツ界に経済的な損失を与え始めている。各競技団体が大会の中止や開催延期、無観客試合などの対応を余儀なくされ、Jリーグなど興行でもあるプロスポーツはクラブ運営に大きな打撃も。クラブによっては経営難にも直面しかねない。

◆平日に試合 収入激減

 「プロスポーツはビジネスの裾野が広い。飲食、宿泊、交通、警備関係などさまざまに支えられている。(公式戦の)延期が持っている意味合いは重いと感じている」

 18日再開を目標に中断していた公式戦を3月いっぱいまで延期する方針を決めたJリーグ。村井満チェアマンは9日、苦渋の決断は地域経済にも影響を与えるとし、悲壮感をにじませた。

 15日までの公式戦94試合の延期を決めた2月25日以降、事態の収束はいまだ見通せない。再開予定の4月3日までに延期とした試合数は、69試合増えて計163試合に。J1が第2〜6節の45試合、J2が第2〜7節の66試合、J3の第1〜4節の36試合とルヴァン・カップ16試合だ。

 影響の一つが入場料収入の減少。今季は東京五輪期間に公式戦を中断するため、週末を中心に組まれていた延期分は平日に振り替える方針。J1クラブ関係者は「(週末開催に比べ)単純に来場者は半分になる」と頭を抱える。

 このクラブの試算では、子ども料金などを加味した入場料単価を約1500円とし、1試合あたり1万5000人減で2000万円以上の損失に。会場ではグッズや飲食の売り上げもあり、コンサルティング大手デロイトトーマツグループの調べでは入場料を含めた客単価はJ1平均で3687円。入場者が同様に半減すれば、単純計算で1試合あたり数千万円の損失になる。

 J1では2018年度、全18クラブの売上高のうち、入場料収入の割合はスポンサー収入の約45%に次ぐ約17%を占めた。J2、J3など予算規模の小さなクラブによっては入場料収入は運転資金の柱の一つ。村井チェアマンが「無観客試合は最後の手段」とした理由の一つもそこにある。ただ、状況がより深刻化すれば「ファンやサポーターと一緒に試合を運営することが、行政の判断によりできなくなるかも」と無観客試合も完全には排除しない。

 地域密着を掲げ全国56クラブに拡大したJリーグは、下部組織やスクールの充実で裾野を広げてきた。長引く活動自粛はその運営にも影響を与える。J3クラブの関係者は「スクールに力を入れているが、活動が止まっている。その会費などが入らないと死活問題だ。どうお金を集めるか、いろんな視点で考えないと」。J1のFC東京の大金直樹社長は「キャッシュフロー上、厳しいクラブもあると聞いている」と明かす。

 Jリーグは経営難のクラブに融資などができる「公式試合安定開催基金」や「大規模災害時補填(ほてん)」の活用も視野に、村井チェアマンが「財務負担にならない配慮は必要」と個々に対応する方針を示す。J1浦和の社長やJリーグ理事を務めたスポーツマネジメントが専門の広島経済大、藤口光紀教授は「クラブは入場料収入が生命線。基金を取り崩すなどリーグの積極的なサポートは必要。こんな時だからこそ、クラブも自治体と連携し、スポーツの力で何かできないか知恵を絞らないといけない」と話す。

◆Bリーグ無観客試合 損失「最大20億円」

 計131試合を無観客で実施することを決めたBリーグ。大河正明チェアマンは11日、東京都内で記者会見を行い、無観客での試合実施による損失は「最大で見積もると20億円近い」と語った。チケット収入の減少に加え、スポンサー収入も減額が予想されるという。

 収入減はクラブの資金繰りに関わる。大河チェアマンは「続けざまにいろんなクラブのキャッシュが回らない事態ではないが、楽観視はできない」と述べ、資金繰りが悪化したクラブにはリーグからの配分金の支払いを前倒しするなどの支援策を検討しているとした。

 中止が決まった選抜高校野球大会との判断の違いも問われ、大河チェアマンは「プロの興行で中止というのは、例えば会社の営業をやめるのと同じ決定。部活動とは判断軸は違う」と説明した。

◆国内団体イベント中止 五輪イヤーに水

 東京五輪・パラリンピックの開催が迫り、機運を盛り上げようとしていた競技団体も大きく水を差された。

 16〜21日に予定していたブラインドサッカーの国際大会「ワールドグランプリ2020」を中止にした日本ブラインドサッカー協会は、パラスポーツではまだ珍しいチケット有料化で競技のブランド化に成功している団体。前売り券もメインスタンド指定席大人2000円で販売していたが、2日から払い戻しに応じている。広報担当者によると、チケットでの興行収入の割合は大きくはなく「Jリーグやプロ野球のような影響があるわけではない」。ただ、2018、19年と東京に強豪国を集め盛り上げてきたイベントの集大成だっただけに、関係者は落胆の色を隠せない。

 五輪会場のお披露目が不透明になっているのは水泳だ。東京アクアティクスセンター(AC=約1万5000人収容)のこけら落としになるはずだった全国JOCジュニアオリンピックカップ春季大会(飛び込み25、26日、競泳26〜29日)は中止に。日本水泳連盟は他の競技団体の動向を調べたといい、坂元要(かなめ)副会長兼専務理事は「水泳だけやるのも苦しいところがある」と説明した。

 東京ACでは五輪代表選考会を兼ねた競泳の日本選手権が4月1〜8日に予定されている。メダル量産の期待が懸かる競技なだけに、五輪イヤーは特に集客が見込まれる。すでに入場券(決勝=2階指定席2900円など)の前売りは始まっているが、無観客の可能性も含め、13日の常務理事会で協議する。

写真

この記事を印刷する

Let's block ads! (Why?)



"スポーツ" - Google ニュース
March 13, 2020 at 05:58AM
https://ift.tt/38RJdXz

新型コロナ>スポーツ経済 冷える春 Jリーグ公式戦延期:スポーツ(TOKYO Web) - 東京新聞
"スポーツ" - Google ニュース
https://ift.tt/2CNiCNr
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini

0 Response to "新型コロナ>スポーツ経済 冷える春 Jリーグ公式戦延期:スポーツ(TOKYO Web) - 東京新聞"

Post a Comment

Powered by Blogger.